「エイ(鱝・鱏)」の生態

■ 基本情報

・エイは軟骨魚類に分類され、サメの仲間です。
・体は扁平(へんぺい)で、胸びれが大きく広がっており、水底にベッタリと張り付くような姿が特徴です。
・世界に約600種以上、日本近海にも30種類以上が生息しています。


■ 生息域

沿岸の砂地・泥地・礁の周辺を好みます。
・浅場から水深200mを超える深場まで広範囲に生息。
・汽水域(川の河口など)にも入ることがあります。
・夜行性で、昼間は砂に潜って休んでいることも多いです。


■ 食性(何を食べるか)

肉食性で、主に以下のものを捕食します。

 - 貝類
 - エビやカニなどの甲殻類
 - 小魚(イワシ・アジなど)
 - ゴカイ・多毛類

・強靭なあごと歯で、固い殻の貝やカニもかみ砕いて食べます。


■ 繁殖

・多くのエイは胎生(卵を体内で孵化させてから産む)です。
・種類によっては、20匹以上の赤ちゃんを一度に産むこともあります。
・妊娠期間は数ヶ月〜1年程度。
・子エイは生まれた直後から親と同じような姿で、独立して生活します。


■ 天敵と防御

・大型のサメや人間が主な天敵です。
・種類によっては尾に毒針(毒棘)を持ち、防御に使います。
 →アカエイの毒針は特に有名で、刺されると激痛・腫れ・時に壊死することもあります。

・砂に潜って擬態することで、外敵から身を隠す戦術も持っています。


■ 釣りとの関係(外道扱い?)

・釣りでは底物釣り(ぶっこみ釣りなど)でよく釣れる外道として知られます。
・大きいもので数十kgになるため、強烈な引きが楽しめる反面、仕掛けが壊されたりラインが切られたりすることも。

・アカエイは食用としても知られ、煮つけ、味噌煮、唐揚げ、干物などに利用されます。
・韓国では「ホンオフェ(発酵エイ)」が有名。


■ 豆知識

・エイは**電気受容器(ロレンチーニ器官)**を持ち、水中での微弱な電気を感じ取って獲物を探します。
・「マンタ(オニイトマキエイ)」のように巨大でおとなしい種類も存在します。
・背中に魚を乗せて泳ぐ様子が撮影されることもあり、海洋生物との共生例として注目されています。


釣り人にとってエイはやっかいな存在と思われがちですが、その生態を知ることで、より海への理解が深まることでしょう。
特にアカエイの毒針には十分注意してください。

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