「底潮が冷たい」という言葉は、主に海の釣りにおいて使われる表現で、海底付近の水温が低い
状態を指します。
この現象は、釣りの際に魚の活性や行動に大きな影響を与えることがあります。
以下に、底潮が冷たいことによる意味や影響について説明します。
1. 底潮と表層潮の違い
- 底潮: 海底近くの水層。海底に近い部分の水温や塩分濃度、酸素濃度などが影響します。
- 表層潮: 海面に近い部分の水層。太陽光や風の影響を強く受け、温度や酸素濃度が変動します。
通常、表層潮は比較的暖かく、底潮は冷たいことが多いですが、季節や海流、気象条件などによって底潮の温度は大きく変動することがあります。
2. 底潮が冷たいことの影響
- 魚の活性に影響
魚は温暖な水温を好むことが多いため、底潮が冷たいと、海底に近い魚(例:根魚や底物)は活性が低くなることがあります。特に、寒冷に強い魚(例:アイナメやカサゴなど)は低水温に強いものの、他の魚(例:ブリ、アジなど)は水温が低いと食欲が落ちることがあります。 - 魚の行動に変化
底潮が冷たいと、魚が深場に移動している場合もあります。例えば、底潮が冷たくなると、深場や海流の速い場所に移動して、少しでも快適な水温を求めることがあります。 - 食物連鎖への影響
魚が活発に餌を摂るためには、水温が一定以上である必要があります。底潮が冷たいと、植物プランクトンや動物プランクトンの活動が鈍り、それを餌とする小魚の数も減ることがあり、食物連鎖に影響が出る場合もあります。
3. 釣りへの影響
底潮が冷たいと、以下のような影響が釣りに現れます:
- 釣れる魚の種類が変わる
温暖な水を好む魚(例えば、青物や回遊魚)は深場に移動したり、底潮が冷たい場所では釣れにくくなります。一方、冷たい水を好む魚(例:タラ、アイナメ、カサゴなど)は底潮が冷たくても活発に釣れることがあります。 - 魚の釣れる場所
魚は水温が安定した場所や温かい場所に集まるため、底潮が冷たい場所では、上層に近いエリアや潮目を狙うことが有効です。逆に、底潮が暖かいエリアや深場を狙うのも一つの戦略です。 - 釣り方の工夫
底潮が冷たいと、底層の魚はあまり活発に動かないことが多いので、餌やルアーをゆっくりと誘うテクニックが効果的です。例えば、底に近い魚が反応しやすいように、ゆっくりしたリトリーブや底をトレースするような釣り方が有効です。
4. 底潮が冷たい原因
底潮が冷たくなる原因としては、以下のようなものがあります:
- 季節変化: 冬になると、表層の温かい水が冷やされ、冷たい水が底に沈みやすくなります。
- 気象条件: 強い風や寒気が海面を冷やし、冷たい水が海底に滞留することがあります。
- 海流: 海流によって冷たい水が沿岸に押し寄せると、底潮が冷たくなります。
まとめ
「底潮が冷たい」とは、海底付近の水温が低く、魚の活性や行動に影響を与える状況を指します。
これは釣りにおいても重要な要素となり、魚の釣れる場所や釣り方を工夫する必要があります。
底潮が冷たいときは、魚の種類や活性を見極めて、釣りの戦略を調整することが大切です。


