アニサキスとは?
アニサキスは寄生虫の一種で、特に魚介類に寄生することで知られています。
人がアニサキスの幼虫を含む魚を生食(刺身や寿司など)した場合、体内で問題を引き起こすことがあります。
アニサキス症は急性腹痛などの症状を引き起こし、適切な治療を行わなければ重症化することもあります。
アニサキスが危険な理由
- 胃や腸壁への侵入
- アニサキスの幼虫は人間の胃や腸壁に食い込む性質があります。その際、激しい痛みや炎症を引き起こします。
- 特に症状は魚を食べた数時間以内に現れ、胃アニサキス症(急激な胃痛)や腸アニサキス症(腸閉塞や腫れを伴う)が発生します。
- アレルギー反応
- アニサキスが死滅していても、体内でアニサキス由来のたんぱく質がアレルギー反応(蕁麻疹やアナフィラキシーショック)を引き起こすことがあります。
- 自然治癒しにくい
- アニサキス症は自然治癒しにくく、場合によっては内視鏡や外科手術が必要になります。
どのような魚に多いのか?
アニサキスは以下の魚介類に特に多く見られます:
- 青魚
- サバ(特に鮮度の落ちたものに多い)
- イワシ
- アジ
- 白身魚
- タラ
- カレイ
- ヒラメ
- 他の海産物
- サケ
- イカ
- サンマ
アニサキスが発生する理由
アニサキスのライフサイクルは以下のようになっています:
- 海洋生物の捕食による拡散
- アニサキスは成虫としてクジラやイルカなどの海洋哺乳類の胃内で繁殖します。
- 排泄物と共に卵が海中に放出され、卵から孵化した幼虫はオキアミなどの小型甲殻類に寄生します。
- 魚介類への移行
- オキアミを捕食した魚(サバやサケなど)に寄生し、魚の筋肉内に入り込むことがあります。
- 人への感染
- 寄生された魚を生食することで、アニサキスが人体に侵入します。なお、アニサキス自体は人間では成虫になることはありませんが、胃壁や腸壁に食い込むことで症状を引き起こします。
アニサキスの対処方法
感染を防ぐ方法
- 冷凍
- アニサキスは-20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅します。
- 冷凍処理された刺身用の魚は比較的安全です。
- 加熱
- アニサキスは60℃以上の加熱で数秒で死滅します。
- 生食がリスクとなるため、焼き魚や煮魚は安全です。
- 内臓の早期除去
- アニサキスは内臓に寄生していることが多いため、釣りたての魚はすぐに内臓を取り除くことで感染リスクを減らせます。
- 目視での確認
- アニサキスは白くて細長い(2~3cm程度)ため、よく観察すれば発見できます。ただし、完全には防ぎきれません。
感染した場合の対処
- 医療機関を受診
- 症状が出たら早めに病院を受診します。
- 内視鏡でアニサキスを摘出することが一般的な治療法です。
- 薬物療法
- アレルギー症状が出た場合、抗ヒスタミン薬やステロイドで対処します。
まとめ
- アニサキスは魚介類の生食で感染する寄生虫で、特にサバ、アジ、イカ、サケなどに多く見られます。
- 症状は急性の胃痛や腸閉塞、アレルギー反応など多岐にわたり、早急な医療対応が必要です。
- 感染を防ぐには冷凍、加熱、内臓の早期処理が有効です。
- 生魚を安全に楽しむためには、アニサキス対策を十分に行うことが重要です。