海水魚と真水はウマが合わない? 調理時は真水は最小限にする人も多い。

海水魚にとって真水が致命的な理由は、海水と真水の塩分濃度差に起因する体内環境の変化です。

海水は約3.5%の塩分濃度を持つ高塩分環境です。一方、真水は約0.05%と極めて低い塩分濃度です。海水魚は体内の塩分濃度を海水の塩分濃度に保つように進化しており、海水中にいるとき、以下の2つの方法で体内環境を維持しています。

  1. 海水から塩分を積極的に取り込む 海水魚は、エラや腸を通じて海水から塩分を積極的に取り込み、体内の塩分濃度を海水と同じレベルに保ちます。

  2. 余分な水を排出する 海水魚は、腎臓を通じて体内の余分な水を尿として排出することで、塩分濃度を希釈されるのを防ぎます。

一方、海水魚が真水に浸されると、以下の2つの問題が発生します。

  1. 体内への水の浸透 真水の塩分濃度は海水よりも極めて低いため、海水魚が真水に浸されると、浸透圧によって真水が体内に大量に浸透します。

  2. 体内の塩分の排出 海水魚は真水に浸されると、エラや腸を通じて体内の塩分が真水に排出されてしまいます。

これらの問題により、海水魚の体内の塩分濃度が低下し、細胞機能が阻害されます。具体的には、以下の症状が現れます。

  • 細胞の膨張 細胞内への水の浸透によって細胞が膨張し、細胞膜が破裂する可能性があります。

  • 脱水症状 体内の水分が過剰に排出されることで脱水症状となり、体内の機能が低下します。

  • イオンバランスの崩壊 体内の塩分濃度が低下することで、細胞内外のイオンバランスが崩壊し、神経伝達や筋肉収縮などの機能が阻害されます。

これらの症状は、海水魚にとって致命的となり、死に至る可能性があります。

ただし、すべての海水魚が真水に弱いわけではありません。サケやウナギのように、海水と淡水を行き来できる魚も存在します。これらの魚は、体内の塩分濃度を調節する機能が高度に発達しており、真水環境でも体内の環境を維持することができます。

しかし、一般的な海水魚にとって、真水は生命を脅かす環境であることは間違いありません。海水魚を飼育する場合は、真水が混入しないよう、適切な水質管理を行うことが重要です。

海水魚と真水はウマが合わない?調理時は真水は最小限に。釣太郎

 

タイトルとURLをコピーしました