生物多様性や食物連鎖の観点から、赤潮・青潮について考えてみましょう。

かなり大雑把ですが、これが海の中の生態系の図です。

 

植物性プランクトンを動物性プランクトンが食べ・・・・と言う循環を繰り返して最終的に大型魚に行きつきます。

大型魚たちがした糞をまたバクテリアたちが分解して、その栄養分を植物性プランクトンが取り込み・・・

 

大まかですがこのようにループして今の生態系と言うのは保たれています。

 

ちなみに、釣り餌でなじみ深いオキアミも動物性プランクトンとなります。

 

100kgのマグロが生きていくには1000kg(1t)の小魚が必要と言われています。

そして1tの小魚たちが生きていくためには10tの動物性プランクトンが・・・

と言った感じで必要量は捕食者の10倍と言われています。

生物ピラミッドに於いて一番重要な物は、最下層の植物性プランクトンやバクテリアです。

生産者と呼ばれています。

バクテリアが居なければ海の底は死骸だらけ。植物性プランクトンを育む栄養分を作れないからです。

そしてその植物性プランクトンは生態系の基礎。

全体で小魚のバランスが崩れる分にはさしたる影響はありませんが、生産者たちのバランスが崩れるとまずいことになります。

植物性プランクトンはバクテリアが作った栄養分で生きていると書きましたが、実はこの栄養分が家庭排水に含まれています。

つまり、人間が出した物質が原因で海に過剰に栄養分が流れ込み、プランクトンが増殖するタイミングの夏場に赤潮が起こってしまう。

これが赤潮の原因の最大のトリガーだと言えます。

赤潮が起こると魚のエラに詰まったりして多数の魚に影響します。

大量発生した植物性プランクトンたちはいづれ死滅しますが、この大量の死骸をバクテリアが分解しようとします。

分解する時に微量の硫化水素(強い毒性の物質)が発生するのですが、大量の死骸を一気に分解してしまうとかなりの硫化水素が生み出されます。

この状態で台風などが来て海水がかき混ぜられることで青潮が起こり、その地域の生物が死んでしまう最悪の状態が起こります。

このような打撃を受け続けてもずっとそのバランスを崩れずに機能している生態系は相当うまいこと出来ているなと思います。

自然界で起こる異常な生物反応をいろんな視点から考えてみるのも面白いですよ。

今回は食物連鎖における雑学でした。

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