■ 1.アオリイカの「抱き方」が魚とは違う
魚は「口で噛んで吸い込む」ようにエサを食べますが、
アオリイカは「両腕(触腕)で包み込むように抱きつく」動きをします。
つまり、針がイカの口や体の中に刺さるわけではなく、外側から引っ掛かる構造です。
そのため、魚のように貫通して固定する必要がなく、「返し」が逆に邪魔になります。
■ 2.返しがあると、イカが身切れしやすい
アオリイカは柔らかい体を持っており、筋肉のような硬い組織がありません。
もしエギの針に返しが付いていると、
・引っ張ったときに針先が抜けず、
・その力で「身が裂ける」リスクが高まります。
これを防ぐために、**スッと抜ける構造(ノンバーブ)**にしてあります。
■ 3.抱いた瞬間に掛けるのではなく、「引っ掛けて取る」釣りだから
エギングは「掛け釣り」ではなく「引っ掛け釣り」に近い仕組みです。
イカがエギを抱いた状態でシャクる(ロッドを煽る)と、
複数のカンナ(針の列)がイカの腕の一部に引っ掛かるだけです。
ここに返しがあると:
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引っ掛かる位置が一定にならず
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カンナが絡み合い
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バラシ(取り込み時の外れ)や、触腕の切断を招く
ため、スムーズに刺さって抜けやすい構造が最も理想的なのです。
■ 4.カンナの数と角度で「返しの役割」を代用している
実は、エギのカンナ(針列)は**わずかに内向き(約15度前後)**に曲がっています。
これは返しのように、イカが暴れても抜けにくい角度設計。
つまり「返しがなくても保持力を持たせる工夫」がされています。
■ 5.環境面・安全面への配慮
返し付きの針は、外れにくい反面、
・人の指に刺さったとき抜けにくい
・布製エギの繊維を痛めやすい
・岩や藻に引っかかったとき外れない
など、扱いにくい欠点があります。
釣り人の安全性と扱いやすさの観点からも、
返しを付けないほうが現実的で効率的なのです。
■ まとめ
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| ① | イカは抱きつくだけで、貫通させる釣りではない |
| ② | 柔らかい体を傷つけないため |
| ③ | 引っ掛け釣りの構造上、返しが邪魔になる |
| ④ | カンナの角度が返しの代わりになっている |
| ⑤ | 安全面・操作性の向上 |
💡ポイント
「エギに返しがない=外れやすい」と思う人もいますが、
実際には**ロッドテンション(糸の張り具合)**で保持されており、
常に一定のテンションを保つことでバラシを防げます。
つまり、釣り人の技術で“返し”を補っているとも言えます。


