アオリイカを釣る方法は、大きく分けて3つ。
「エギング」「ウキ釣り(泳がせ)」「ヤエン釣り」。
「結局、どの釣り方が一番釣れるの?」
「エギングで釣れない時、ヤエンなら釣れるって本当?」
「自分の行く釣り場や時間帯に、最適な釣法はどれ?」
結論から言えば、「常に最強」という釣法はありません。
それぞれの釣法に、圧倒的に有利になる「得意な状況」と、逆に「苦手な状況」が存在します。
この記事では、3大釣法それぞれの「優位性が高いケース」と「不利になるケース(逆バージョン)」を、アオリイカハンターの皆様に詳しく解説します。
1. エギング(餌木):ランガンと手返しの王様
擬似餌である「エギ」をロッドで操作(シャクる)してアオリイカを誘う、最もスポーティーで人気の釣法です。
優位性が高いケース(エギングが最強の時)
- ① 高活性なイカを「探す」釣り(ランガン)
エギング最大の武器は「機動力」と「手返し」です。
活きエサの準備が不要なため、堤防、磯、サーフと、ポイントを次々に移動(ランガン)できます。
「イカがどこにいるか分からない」「秋イカの数釣りをしたい」という状況では、広範囲をテンポ良く探れるエギングが圧倒的に有利です。
- ② イカが「中層〜表層」に浮いている時
エギは、中層や表層をテンポ良く探るのが得意です。
特に朝夕のマズメ時、ベイト(小魚)が水面近くに集まり、イカの活性が上がって積極的にエサを追いかけている状況では、エギの派手な動き(ダート)が強いアピールとなり、イカの捕食スイッチを入れます。
- ③ 荷物を最小限にしたい時
ロッド、リール、エギ数本さえあれば成立します。
アジを活かすバッカンやエアポンプが不要なため、装備が非常にコンパクト。
「手軽に楽しみたい」「地磯を歩き回りたい」というニーズに完全に応えます。
不利になるケース(エギングが苦手な時)
- ① 超低活性で「スレた」イカ(特に春の大型)
何度もエギを見せられたイカや、産卵期で警戒心の強い春の大型イカは、エギの人工的な動きを見切ることがあります。
エギを追っては来るものの、抱かずにUターンしてしまう「見えイカ」が代表例です。
このような状況では、本物のエサ(活きアジ)の自然な動きに軍配が上がることが多々あります。
- ② 爆風・荒天の時
エギングは、ライン(PEライン)でアタリを取ったり、エギを沈めたりする釣りです。
風が強すぎるとラインが流されて「底が取れない」「アタリが分からない」「エギが不自然に動く」という三重苦に陥り、釣りが成立しにくくなります。
2. ウキ釣り(泳がせ):タナの固定と「放置」の強み
活きたアジなどの小魚をエサに、ウキを使って一定のタナ(水深)を狙う釣法です。
優位性が高いケース(ウキ釣りが最強の時)
- ① イカの「遊泳層(タナ)」がハッキリしている時
「日中、イカは底付近にいる」「マズメ時、中層に浮いてきた」など、イカがいるタナが明確な場合、ウキ止めでそのタナにアジを固定できるウキ釣りは非常に効率的です。
特に**「夜釣り」**では、常夜灯の明暗部や、イカが浮きやすいタナが決まっていることが多く、ウキ釣りの独壇場となります。
- ② 「待ち」の釣り・他の釣りと並行したい時
仕掛けを投入したら、基本的には「放置」できるのがウキ釣りの強み。
アジが勝手にイカを誘ってくれます。
「エギングをしながら、足元にウキ釣りを1本出しておく」「ヤエン釣りと並行する」といった「ながら釣り」にも最適です。
ウキが沈む瞬間は、どの釣りよりも視覚的にエキサイティングです。
不利になるケース(ウキ釣りが苦手な時)
- ① イカのタナが不明で「探る」必要がある時
ウキ釣りは、設定したタナしか狙えません。
イカがどの水深にいるか分からない状況で、タナを頻繁に変えながら探るのは非効率です。
広範囲のタナを立体的に探る能力は、エギングやヤエンに劣ります。
- ② 風や潮の流れが速すぎる時
風や潮が速いと、ウキがどんどん流されてしまいます。
狙ったポイント(例:沈み根の上)にアジを留めておくことが難しくなり、仕掛けがすぐに岸に寄ってきたり、隣の釣り人とオマツリしたりと、釣りが困難になります。
3. ヤエン釣り:対大型・低活性イカの切り札
活きたアジをフリー(ウキなし)で泳がせ、イカがアジを抱いたら「ヤエン」と呼ばれる掛け針をライン(道糸)に伝わせて投入し、イカを掛ける釣法です。
優位性が高いケース(ヤエン釣りが最強の時)
- ① エギを見切る「スレた大型イカ」を狙う時
ヤエン釣りの最大の武器は、**活きアジの「自然な動き」**です。
警戒心がMAXになっている春の大型イカや、エギにスレきったイカも、弱って泳ぐ本物のベイト(アジ)には警戒心を解きやすく、思わず抱きついてしまいます。
「エギングでは全く反応しないのに、ヤエンには乗った」という状況は、まさにこれです。
- ② イカに「違和感」を一切与えたくない時
アジを抱いたイカは、道糸をフリーにしてあるため、ほぼ何の抵抗も違和感もなくアジを沖へ持っていき、ゆっくりと食べ始めます。
エギングやウキ釣りのように、竿先やウキの抵抗を感じさせません。
この「違和感の無さ」が、特に神経質な大型イカに口を使わせる最後の切り札となります。
- ③ 潮が速い・風が強い状況
ヤエン釣りは、道糸を水中に沈め、アジの泳ぎ(またはオモリ)で仕掛けを安定させます。
エギングのように風でラインが煽られたり、ウキ釣りのように仕掛けが表層を滑ったりすることが少ないため、多少の荒天(風や速い潮)に強いという側面があります。
不利になるケース(ヤエン釣りが苦手な時)
- ① 「手返し」と「機動力」が求められる時
アジの準備、アジの交換、そしてイカが乗ってからヤエンを投入し、取り込むまで、一連の流れに非常に時間がかかります。
また、バッカンやポンプなど荷物が多くなるため、ランガンには全く向きません。
高活性な秋イカをテンポ良く数釣りしたい場合、ヤエン釣りは最も非効率になります。
- ② 根掛かりが多発する「浅い岩礁帯」
アジは障害物(根)に向かって泳ぐ習性があります。
フリーで泳がせるヤエン釣りは、浅い場所や根が荒い場所では、アジがすぐに根に潜ってしまい、根掛かりが多発します。
(※上級者はオモリや竿さばきでこれを回避します)。
まとめ:状況別・最強の釣法はこれだ!
| 状況 | 最も優位な釣法 | 理由 |
| 秋イカ・数釣り・ランガン | エギング | 圧倒的な機動力と手返しの良さ。 |
| 春の大型・低活性・スレイカ | ヤエン釣り | 活きエサの自然な動き。違和感ゼロ。 |
| 夜釣り・タナが明確 | ウキ釣り | 決まったタナを「放置」で狙い撃ちできる。 |
| マズメ時・高活性 | エギング | 派手な動きで素早くアピール。 |
| 強風・荒天時 | ヤエン釣り | 仕掛けが安定しやすく、釣りが成立しやすい。 |
| 手軽さ・荷物の少なさ | エギング | ロッドとエギだけでOK。 |
| 他の釣りと並行(ながら釣り) | ウキ釣り | 投入後はアタリを待つだけ。 |


