「同じ魚なのに、なんか違う…」その理由とは?
和歌山県みなべ町のような太平洋沿岸と、山陰・北陸などの日本海沿岸では、
同じ魚種でも味・姿・漁法・呼び名がまったく異なることがあります。
この記事では、マダイ・スルメイカ・ケンサキイカ・アオリイカ・ヒラメの5種を中心に、
太平洋 vs 日本海の違いを科学的・地域的に解説します。
🐟 マダイ|「桜鯛」と「寒鯛」でまるで別物?
| 地域 | 特徴 | 味の傾向 |
|---|---|---|
| 太平洋側 | 春の乗っ込み期「桜鯛」が有名 | 脂が乗り甘みが強い |
| 日本海側 | 冬の荒食い期「寒鯛」が主流 | 締まりが良く旨味濃厚 |
- 太平洋側は春の産卵期に浅場に寄る個体が多く、皮目の赤みが強い。
- 日本海側は冬の荒波で育った個体が多く、身が締まり脂が乗る。
🦑 スルメイカ|「冬イカ」と「夏イカ」で漁法も違う
| 地域 | 漁獲時期 | 漁法 | 味の傾向 |
|---|---|---|---|
| 太平洋側 | 冬(東シナ海産卵) | 網漁・陸凍 | 身が厚く加工向き |
| 日本海側 | 夏〜秋(山陰沖産卵) | イカ釣り・船凍 | 鮮度抜群、刺身向き |
- 太平洋側は網漁で大量漁獲→陸凍処理が多く、加工品に向く。
- 日本海側は釣り漁法→船内瞬間凍結が主流で、刺身品質が高い。
🦑 ケンサキイカ|「白イカ」と呼ばれる高級食材
| 地域 | 呼び名 | 特徴 | 味の傾向 |
|---|---|---|---|
| 太平洋側 | ケンサキイカ | 足が長く、胴が細め | 甘みは控えめ |
| 日本海側 | 白イカ | 胴が丸く、身が厚く白っぽい | 甘みが強く歯ごたえ◎ |
- 日本海側では「白イカ」と呼ばれ、高級寿司ネタや姿造りに使われる。
- 太平洋側では「ケンサキイカ」として流通し、煮物・焼き物向き。
🦑 アオリイカ|水温と藻場でサイズ・味が変わる
| 地域 | 生息環境 | サイズ傾向 | 味の傾向 |
|---|---|---|---|
| 太平洋側 | 水温高め・藻場豊富 | 大型化しやすい | 甘み強く濃厚 |
| 日本海側 | 水温低め・岩礁地帯 | 小型傾向 | 歯ごたえ重視 |
- 太平洋側は水温が高く、藻場が広いため大型化しやすい。
- 日本海側は岩礁地帯が多く、身が締まり歯ごたえが強い。
🐟 ヒラメ|「黒ヒラメ」と「白ヒラメ」の違いも
| 地域 | 呼び名・特徴 | 味の傾向 |
|---|---|---|
| 太平洋側 | 白っぽく脂が乗る個体 | 甘みととろける食感 |
| 日本海側 | 黒っぽく締まりが強い個体 | 歯ごたえと旨味重視 |
- 太平洋側は砂地で育つ個体が多く、白っぽく脂が乗る。
- 日本海側は岩礁地帯で育ち、黒っぽく身が締まる。
🧠 教育的まとめ|「海が違えば命の味も違う」
同じ魚種でも、
✅ 生息環境
✅ 水温・潮流
✅ 漁法・処理方法
✅ 地域文化・呼び名 ──
によって、まるで別物のような“異質化”が起こります。
これは消費者にとって、選択眼を育てる絶好の学びの機会。
「どこで獲れたか」「どう処理されたか」を知ることで、
命への敬意と食文化の理解が深まります。


