和歌山県の沿岸部では、時折ニュースやSNSを賑わせる“深海魚の漂着”が話題になります。
その中でも、リュウグウノツカイと並んで釣り人や地元漁師の間で注目されるのが「サケガシラ」です。
今回は、田辺市で実際に確認されたサケガシラの捕獲記録をもとに、この神秘的な深海魚の特徴を解説します。
■ サケガシラとは?
・学名:Trachipterus ishikawae
・分類:アカマンボウ目フリソデウオ科
・別名:「裂頭魚(さけがしら)」「地震魚」とも呼ばれる
サケガシラは、体長2~3mほどに成長する深海魚です。
銀色に輝く細長い体と、裂けたように大きく開く口が特徴的で、リュウグウノツカイとよく間違えられることがあります。
日本近海の深海(おおよそ水深200~500m)に生息していますが、まれに沿岸に現れ、網や定置網にかかることがあります。
■ 和歌山県田辺市での捕獲記録
・発見日:2010年3月30日
・場所:田辺湾(田辺市)
・状況:シラス漁の網にかかる
・サイズ:約2.4m
紀伊半島の沿岸では珍しい記録で、漁港関係者や研究者の間でも注目されました。
このような大型深海魚が浅場に現れる理由ははっきりしていませんが、以下のような要因が考えられます。
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体調不良や病気で浮上した
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海流や水温の変化によって迷い込んだ
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捕食や繁殖行動の影響
田辺湾周辺では1970年代以降、サケガシラやリュウグウノツカイ、テンガイハタといった深海魚がまれに見つかっています。
■ サケガシラの特徴
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体型:非常に細長く、体表は銀白色で金属光沢がある
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口:裂けるように大きく開く構造で、伸縮性が高い
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ヒレ:尾びれが上方向に伸び、腹びれは小さい
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サイズ:最大で2.7mに達する個体も報告されている
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生息域:太平洋、日本海の深海域
サケガシラは食用としてはほとんど流通しませんが、まれに定置網などで捕獲されるとニュースになることがあります。
■ 和歌山沿岸での深海魚漂着の頻度
和歌山県全体では、1971年以降にサケガシラの捕獲や漂着が約20例記録されています。
特に冬から春にかけて海況が荒れる時期に発見されることが多く、海流の影響や深海魚の回遊ルートの変化が関係していると考えられています。
■ まとめ
・サケガシラは深海性の大型魚で、和歌山県の沿岸で発見されるのは非常に珍しい
・田辺市では2010年に2.4mの個体がシラス漁の網にかかっている
・リュウグウノツカイに似た外見を持ち、話題性の高い深海魚のひとつ
紀伊半島周辺は深海魚が比較的現れやすい地域として知られています。
もし海岸や漁港でサケガシラを見つけたら、地元の水族館や研究機関に連絡すると、貴重なデータとして記録される可能性があります。


