「今日は土用の丑の日。うなぎを食べなきゃ!」
夏になるとそんな声が聞こえてくる日本。
でも、ふと疑問に思いませんか?
なぜ“土用の丑の日”に、うなぎを食べるようになったのでしょうか?
単なる習慣?商業戦略?それとも健康的な意味があるの?
この記事では、歴史的背景・文化的意味・栄養学的根拠の3つの視点から、「うなぎと丑の日」の関係を深掘り解説します。
1.そもそも「土用の丑の日」ってなに?
「土用(どよう)」とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前、約18日間の期間のこと。
中でも、**夏の土用(=立秋前の約18日間)**がもっともよく知られています。
その期間内に訪れる「丑(うし)の日」が**“土用の丑の日”**です。
年によっては、土用の期間中に丑の日が2回来ることもあり、「一の丑」「二の丑」と呼ばれています。
2.きっかけは江戸時代の「平賀源内」の知恵だった!?
うなぎを土用に食べる習慣のはじまりは、**江戸時代の天才・平賀源内(ひらが げんない)**による発案が有力とされています。
▼ 夏に売れないうなぎ屋の悩み
夏はうなぎが痩せて味が落ちるため、当時は冬の食材として認識されていました。
そのため、夏には売れ行きが悪く、困っていたうなぎ屋が源内に相談します。
▼ 源内のコピー術「本日丑の日、うなぎの日」
源内は「“丑の日”には“う”のつく食べ物を食べると夏バテしない」という言い伝えをもとに、
店先に**「本日丑の日 うなぎの日」**という貼り紙をすすめたのです。
これがヒットし、他のうなぎ屋にも広まり、全国的な風習になったと言われています。
3.実は理にかなった「夏にうなぎ」の栄養学的効果
源内の戦略はただのキャッチコピーではなく、うなぎの栄養価の高さが“夏バテ防止”に本当に役立つことが、現代の栄養学で裏付けられています。
▼ うなぎの主な栄養素
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ビタミンA(視力・免疫力を守る)
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ビタミンB1・B2(疲労回復に重要)
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EPA・DHA(脳・血管の健康)
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良質なタンパク質・脂質
特にビタミンB1は、汗で流れ出やすく、夏バテの原因となる栄養素。
うなぎにはこれがたっぷり含まれており、食欲不振・疲労感の軽減にピッタリの食材なのです。
4.「う」のつく食べ物を食べる風習も背景に
日本には古くから、**「丑の日には“う”のつく食べ物を食べると夏負けしない」**という風習がありました。
これは中国由来の陰陽五行説に基づいており、夏に陰性の「う」食材を取り入れてバランスを取るためとされています。
代表的な「う」のつく食べ物:
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うなぎ(鰻)
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うどん
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うり(瓜)
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梅干し
このように、うなぎだけでなく**「う」のつくもの全体が“縁起食”とされていたのです。
うなぎはその中でも圧倒的な栄養価があるため、徐々に主役に定着していきました。
5.近年の土用の丑は「商戦」としても巨大化
現代では、土用の丑の日はスーパー・百貨店・飲食店にとっての一大イベント。
毎年7月に入ると「うなぎ予約受付中」「土用丑フェア」といった文字が店頭に並びます。
実際、うなぎ業界の年間売上の約3割がこの時期に集中しているともいわれ、
「土用の丑=うなぎ」はもはや国民的行事となっています。
6.ただし、近年のうなぎ事情には課題も
絶滅危惧種としての問題や価格高騰、密漁問題など、日本のうなぎ文化は岐路に立たされています。
食べる際には、以下のような点にも配慮することが推奨されます。
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国産かどうか
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持続可能な養殖かどうか(ASC認証など)
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食べる頻度や量
未来の子どもたちにも「土用の丑のうなぎ文化」を残すためには、一人ひとりの意識が大切です。
まとめ|「土用の丑とうなぎ」は偶然ではなく、必然だった!
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土用の丑とうなぎの関係は、江戸時代の広告戦略から始まった
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しかし、うなぎの栄養価は実際に“夏バテ予防”に非常に効果的
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「う」のつく食べ物を食べるという民間風習とも合致
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今では国民的イベントとして定着した一方、うなぎ資源保護も意識すべき時代に
味だけでなく、背景を知るともっと美味しくなる「うなぎ」。
今年の土用の丑の日も、感謝を込めてうなぎを味わってみてはいかがでしょうか?


