海水氷と真水氷、温度に違いはあるの?

海水氷と真水氷、温度に違いはあるの?

魚の鮮度を左右する“たった2℃”の差とは?

釣り人や鮮魚を扱う方の間で、最近話題になっているのが「海水氷」の存在。
一見すると、ただの「塩水を凍らせただけの氷」ですが、実はこの海水氷と真水氷の温度差が、魚の鮮度や冷却効率に大きく影響しているのをご存知でしょうか?

この記事では、**海水氷と真水氷の「温度差」**に焦点を当てて、
「なぜ海水氷の方がよく売れるのか?」「魚が傷みにくい理由は?」といった疑問に、科学的かつ実践的な視点からお答えしていきます。


海水氷と真水氷の違いをざっくり言うと?

種類 融点(溶けはじめる温度) 特徴
真水氷 0℃ 一般的な氷。家庭の冷凍庫で作られる
海水氷 -1.8℃〜-2.2℃程度 塩分の影響で融けにくく、冷却力が高い

たった2℃の違いと思うかもしれませんが、この「2℃の差」が魚の保存に大きく関係しています。


どうして海水氷の方が温度が低いの?

その理由は「凝固点降下(ぎょうこてんこうか)」という科学現象にあります。

水に塩を加えると、凍る温度が下がる性質があります。
これが「凝固点降下」と呼ばれる現象です。

海水には約3.5%の塩分が含まれており、その結果、海水が凍り始める温度は**-1.8℃~-2.2℃**。
つまり、凍った状態の海水氷は、真水の氷よりも低温を維持できるということなのです。


実際の温度はどう違う?

冷凍庫で同じように凍らせた場合

  • 真水氷:冷凍庫から出すとすぐ0℃に近づき始める

  • 海水氷:-2℃近辺を保ちながら溶けていく

この違いは、魚に触れさせたときに如実に現れます。
海水氷は、魚を凍らせずに「キリッと冷やす」絶妙な温度を保てるのです。


魚の冷却における重要なポイント

魚を冷やすときに求められるのは「低すぎず、かつ十分に冷たい」状態です。
以下の点から、海水氷がいかに優れているかが分かります。

● 冷却スピードが早い

  • -2℃の環境では、魚の表面温度が急速に下がるため、細菌の増殖を防げます

● 魚体が締まる

  • 水分を奪いすぎないため、身がふやけず弾力が保たれる

● 融けにくく、長持ち

  • 氷がスラリー状(シャーベット状)になりやすく、密着性が高い

  • 同じ量でも、真水氷よりも長時間冷却効果が持続


真水氷ではなぜだめなのか?

真水氷がダメというわけではありません。
ただし、以下の欠点があります。

  • 0℃で溶け始めるため、冷却能力が弱め

  • 魚が直接触れると「水っぽく」なる(ふやける)

  • 氷が一度に溶けやすく、クーラーボックスの中の温度が安定しない

特に夏場や長時間の保冷には、真水氷だけでは心許ないのです。


現場の声:なぜ海水氷が選ばれるのか?

釣り人・漁師・鮮魚関係者からは、以下のような声が多数あります。

  • 「クーラーに海水氷入れておけば、魚が“ピンピン”のまま帰れる」

  • 「真水氷だとベチャベチャになるけど、海水氷だと“締まり”が違う」

  • 「エラや目が綺麗なまま残る。見た目も味も上等」

冷却温度が2℃違うだけで、魚の鮮度・見た目・食味すら変わるのは大きなメリットです。


海水氷を使用する際の注意点

便利な海水氷にもいくつか注意点があります。

  • クーラーボックスがしっかり密閉されていること(冷気逃げ防止)

  • 魚が傷つかないように、鋭利な氷片が少ないスラリー状が理想

  • 必ず「黒潮の海水」など、きれいな海水で作られている氷を選ぶ

市販品(例:釣太郎の海水氷)は、殺菌処理済みの海水使用のため、安心して使えます。


まとめ:冷却のカギは“氷の質”にあり!

比較項目 真水氷 海水氷
凍る温度 0℃ 約-2℃
冷却力 弱め 非常に高い
融けやすさ 早い 遅い
魚の締まり 水っぽくなる 弾力が保たれる
鮮度保持力 低い 高い(プロ仕様)

おすすめの使い方

  • クーラーボックスの底に海水氷を敷き詰める

  • 魚をラップで包んで、氷が直接当たらないようにする(特に高級魚)

  • 長時間の釣行・遠方からの持ち帰りには、必ず海水氷を用意


最後に

氷はただの冷却材ではありません。
魚の**命を守る“保存器具”**であり、鮮度を分ける“プロのこだわり”でもあります。

「海水氷を使う=釣った魚に敬意を払う行動」とも言えるでしょう。
たった2℃の差が、魚の味と品質に雲泥の差を生む――
それが、海水氷が選ばれる理由です。

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