意外とおいしい外道たち!捨てたらもったいない魚と料理の工夫法
(釣り人必見!釣って損なし)
はじめに|外道=まずい、はもう古い!
釣り人なら誰もが一度は経験する「外道(がいどう)」。
本命の魚ではないけれど、エサに食いつき釣れてしまう魚たちのことです。
「リリースするしかない」
「まずそう」
「臭みが強そう」
そんなイメージがあるかもしれませんが、実は調理法を工夫するだけで、びっくりするほど美味しくなる魚も多いのです。
今回は、釣り人がつい見落としがちな“外道”の中でも、意外と美味しい魚たちと、そのおすすめ調理法を詳しく紹介します。
1|ササノハベラ(キュウセン)
■特徴
・カラフルな体色(オスは青緑、メスは赤褐色)
・防波堤釣りでよく釣れる
・「ベラなんて誰が食うの?」と敬遠されがち
■実は…刺身もいける!
・活きがよければ皮を引いて刺身にすると絶品
・クセが少なく、白身で上品な甘みあり
■おすすめ料理
・皮付きで焼く「塩焼き」
・酢締めにして「ベラの酢漬け」
・フライや天ぷらでも身がほぐれておいしい
2|アイゴ(バリ)
■特徴
・ヒレに毒あり。扱い注意
・釣れても「触りたくない」とリリースされやすい
・しかし磯臭さを抜けば旨味は強い
■下処理が決め手!
・釣ったらすぐ内臓を取り出し、血抜きと神経抜き
・海水氷で即冷却
・皮を引くと臭み激減
■おすすめ料理
・塩焼き(内臓を除いて炭火でじっくり)
・味噌煮
・アイゴの干物:旨味が凝縮され絶品
3|ニザダイ(サンノジ)
■特徴
・磯の強敵、引きが強い
・独特の臭みがある(通称「磯クサイ」)
・釣っても敬遠されるが、実は刺身がうまい!
■臭み抜きのコツ
・活け締め+血抜き
・海水氷で一気に冷却
・皮を丁寧に引く(臭みの原因は皮と血合い)
・数日寝かせると旨味が倍増
■おすすめ料理
・皮を引いた「昆布締め刺身」
・燻製仕上げ
・唐揚げ:骨までバリバリいける
4|ボラ
■特徴
・汽水域で釣れることが多く、泥臭さのイメージ強し
・臭い魚の代表格とされるが、それは環境次第
・実は、きれいな海で釣れたボラは美味!
■美味しく食べるコツ
・砂地や干潟ではなく、沖堤や磯場で釣れたボラを狙う
・すぐに締めて血抜き
・真水氷より海水氷で冷却することで臭みカット
■おすすめ料理
・ボラの刺身(白身のコクがあり上品)
・ボラのカラスミ(卵巣を塩漬け→乾燥)
・西京焼きや粕漬け:脂が乗っていれば絶品!
5|キタマクラ(注意!毒あり)
■特徴
・フグの仲間。背中が黄色く、青い斑点が特徴
・テトロドトキシンを含むため、素人調理は厳禁
・地方によっては「無毒部位」を食べる文化あり
■絶対に素人調理はダメ!
・免許を持った専門業者のみ調理可
・家庭での調理・試食は非常に危険
■もし持ち帰るなら
→必ず専門の魚屋・料理店で処理を依頼すること!
6|クサフグ
■特徴
・釣っても即リリースが多い
・小型で可愛らしいが、こちらも毒あり注意
■一部地域では食材として重宝
・プロの調理師が捌けば、唐揚げや煮付けが美味
7|ウツボ
■特徴
・強烈な見た目で敬遠されがち
・和歌山・高知・伊豆などで昔から食用文化あり
・身は弾力があり、コラーゲン豊富
■おすすめ料理
・唐揚げ(カリッとした皮とモチモチの身)
・煮こごり(コラーゲンが自然にゼラチン化)
・味噌煮も旨い:骨までホロホロ
8|イラ(ブダイ)
■特徴
・歯が大きく、外見が派手
・沖縄では「イラブチャー」として刺身で人気
■美味しく食べるコツ
・活き締めして海水氷で冷却
・皮を引いて薄造りに
■おすすめ料理
・イラの刺身(あっさり系白身)
・バター焼き(身がふっくらしてうまい)
・アラの潮汁
まとめ|“外道”のレッテルをはがそう
外道=不味いという先入観は、釣りの楽しみを狭めてしまいます。
ちょっとした手間と下処理を加えることで、
「なんだ、めちゃくちゃうまいじゃん!」
という感動を味わえる魚は、思っている以上に多いのです。
とくに釣りたての魚は、スーパーに並ぶ鮮魚よりも圧倒的に鮮度が上。
そのぶん、正しく処理してあげれば、「料理人泣かせのうまさ」が家庭でも味わえるのです。
釣れた魚は無駄にせず、食べる楽しみにも目を向けてみませんか?

