和歌山県・紀州地方では、古くから「カツオのケンケン釣り」が行われてきました。
一本釣りでありながら、網漁とはまったく異なる仕組みを持つこの伝統漁法。
漁の方法自体が魚の味と品質を大きく左右するため、今もなお価値ある手法として受け継がれています。
今回は、このケンケン釣りの仕組みと特徴を、初心者にもわかりやすく解説します。
ケンケン釣りとは?
ケンケン釣りとは、走行中の船からルアー(疑似餌)を引き、カツオを1尾ずつ釣り上げる漁法です。
スピードを保ったまま仕掛けを水面に流し、疑似餌に食いついたカツオを素早く釣り上げます。
関東地方で言う「引き縄漁(ひきなわりょう)」とほぼ同じ仕組みですが、紀州では「ケンケン漁(けんけんりょう)」と独自の呼称で親しまれています。
ケンケン釣りの仕組みを図解で理解しよう
(※ここにイラストを入れると効果的)
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船を時速約10ノット以上で走らせる
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船尾から擬似餌(ルアー)をつけた仕掛けを数本流す
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水面を跳ねるように動くルアーがカツオを誘う
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カツオが食いつくと、竿に手応えが伝わる
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漁師が1尾ずつ手で釣り上げる
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すぐに〆て血抜きし、海水氷で冷却保存
ケンケン釣りのメリットとは?
✔ 魚体を傷つけない
網漁と違い、1尾ずつ丁寧に釣り上げるため、魚の皮や身が非常に美しい状態で保たれます。
そのため、刺身やたたきで食べたときの見た目も味も上質です。
✔ 鮮度が抜群
釣り上げたらすぐに神経締め・血抜き・冷却を行うため、
時間による劣化が最小限に抑えられます。
魚特有の生臭さや酸化臭がなく、まさに“モチガツオ”状態が長持ちします。
✔ 魚にストレスを与えにくい
網にかけられた魚は大量のストレスを受けますが、ケンケン釣りではそれがありません。
ストレスが少ないことで、身の張り・味わい・保存性も高まるのです。
ケンケン釣りと「一本釣り」の違いは?
ケンケン釣りも「一本釣り」に分類されますが、以下の違いがあります。
| 項目 | 一本釣り | ケンケン釣り(引き縄漁) |
|---|---|---|
| 船の動き | 停止して魚群を狙う | 船を走らせながら釣る |
| 仕掛けの数 | 1本または少数の釣り竿 | 5~10本程度の仕掛けを流す |
| 使用する餌 | 生き餌や冷凍餌 | 疑似餌(ルアー) |
| 主なターゲット魚 | カツオ・マグロ・ブリなど | カツオが中心 |
ケンケン釣りで釣れたカツオはどこで味わえる?
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和歌山県串本・勝浦・那智などの直売所
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道の駅、産地直送の通販
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一部の寿司店や割烹料理店
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ふるさと納税の返礼品にも多数登場
「ケンケン釣り」や「一本釣り」と記載されているカツオは、品質の証として評価されており、一般の冷凍カツオや流通品とは一線を画します。
まとめ:ケンケン釣り=味と鮮度を極める漁法
✅ 疑似餌を使い、走行中の船から魚を釣るユニークな漁法
✅ 魚体に傷がなく、見た目も食感もトップクラス
✅ 一尾ごとに即処理することで、驚異的な鮮度を保つ
✅ 伝統と職人技が支える、紀州ならではの誇りある漁法
紀州のカツオが美味しい理由、それは「ケンケン釣り」という仕組みと技術にあります。
スーパーで見かけたら、ぜひ“ケンケン”の名に注目してください。
それは鮮度と味の証です。


