紀州のカツオ漁と言えば「ケンケン」が有名。これについて、ご説明します。

紀州の海に初夏を告げる風物詩といえば、なんといっても美味しいカツオです。

その中でも和歌山県、特にすさみ町周辺などで水揚げされる「ケンケン鰹」は、極上の味わいとして全国の食通から絶大な支持を集めています。

今回は、紀州特有の伝統漁法である「ケンケン漁」の秘密と、なぜこれほどまでに市場価値が高いのかを紐解いていきましょう。

ハワイから伝わった?ケンケン漁とは

ケンケン漁とは、疑似餌(ルアー)を船で引きながらカツオを狙う、いわゆる「曳縄漁(ひきなわぎょう)」の一種です。

この少し愛嬌のある名前の由来は、明治時代にハワイへ渡った紀州の漁師が地元へ持ち帰った技術だという説が広く知られています。

鳥の羽などを付けたルアーが、波頭をピョンピョンと跳ねるように泳ぐ姿が、ハワイの言葉で「ケンケン」と呼ばれていたことからその名が定着したと言われています。

まるで小魚が水面を逃げ惑うようなリアルな動きを演出することで、カツオの狩猟本能を強烈に刺激するのです。

究極の鮮度を生み出す船上の職人技

ケンケン漁の最大の強みは、カツオに一切のストレスを与えない圧倒的な鮮度の保持にあります。

網漁のように大量の魚がもみくちゃになることはなく、一匹ずつ海面から丁寧に引き抜かれます。

そして勝負は、カツオが船に上がった瞬間に決まります。

漁師たちは釣れたカツオを即座に活け締めにして血抜きを行い、氷水で一気に冷やし込むのです。

この一連の作業をいかに素早く、正確に行うかが、身の美しさとモチモチとした食感を守る最大の鍵となります。

ケンケン鰹がブランド魚として愛される理由

釣り上げられたその日のうちに市場へ並ぶ「日帰りカツオ」であることも、ケンケン鰹の大きな魅力です。

一度も冷凍されずに生の状態で流通するため、生臭さが全くなく、カツオ本来の濃厚な旨みと爽やかな香りを存分に堪能できます。

漁師さんの並々ならぬ愛情と熟練の技が詰まったケンケン鰹は、まさに紀州が誇る最高級の海の恵みです。

最高の鮮度と美しい身質を持つため、市場では他のカツオとは一線を画す高値で取引されています。

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