はじめに
同じイカでも「モンゴウイカ(コウイカ)」と「アオリイカ」では、飼育の難易度がまったく違います。
一般的にモンゴウイカは比較的飼いやすいのに対し、アオリイカは水族館でも長期飼育が難しいことで知られています。
本記事ではその理由を科学的に解説し、釣り人や海洋生物に興味がある方に役立つ情報をまとめます。
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🐚 モンゴウイカの飼育が簡単な理由
① 骨(甲)を持ち浮力調整が可能
モンゴウイカは体内に「甲(カラストンビの仲間の骨に近い構造)」を持っています。
この甲によって浮力をある程度コントロールできるため、泳ぎに無駄なエネルギーを使わず、安定して水槽内に留まれます。
② 泳ぎが遅く省エネ
アオリイカのように常に活発に泳ぎ回る必要がなく、底にじっとしていることが多いのが特徴。
このため、広大な水槽を用意しなくても、比較的安定した環境で飼育できます。
③ ストレスに強い
モンゴウイカはアオリイカほど繊細ではなく、少々の水質変化や狭い環境にも適応可能。
飼育下でも長期生存しやすく、水族館でも展示向きのイカです。
🦑 アオリイカの飼育が非常に難しい理由
① 常に遊泳し続ける習性
アオリイカには甲(浮力調整器官)がなく、浮力を保つことができません。
そのため、常に泳いでいないと沈んでしまう性質があります。
水槽内では狭い空間を泳ぎ続けることになり、壁にぶつかって衝突死するケースも多発します。
② 繊細でストレスに弱い
アオリイカは非常に神経質。
人影や水槽の揺れでもパニックを起こし、墨を吐いたり、急激に体調を崩すことがあります。
一度弱ると回復が難しく、短期間で死んでしまうことも少なくありません。
③ 酸素要求量が大きい
アオリイカは活発に泳ぐため、酸素消費量が高い生物です。
水槽内では常時エアレーションを行っても酸欠になりやすく、酸素管理が非常にシビアになります。
④ 餌の確保が難しい
アオリイカは生き餌に強く依存します。
アジやエビなど、動きのある獲物でないと満足に捕食しません。
冷凍エサへの切り替えも困難なため、長期飼育には大量の生き餌を確保する必要があります。
⑤ 水槽サイズが必要
アオリイカは成長が早く、わずか数か月で数百グラムから2kg級にまで育ちます。
狭い水槽ではすぐに手狭になり、泳ぎ回るスペースがなくなってしまうのです。
🔍 モンゴウイカとアオリイカの飼育難易度比較
| 項目 | モンゴウイカ(コウイカ類) | アオリイカ |
|---|---|---|
| 浮力調整 | 甲で可能 | なし(常に遊泳) |
| 泳ぎ | 遅い・底に留まる | 速い・常に泳ぐ |
| ストレス耐性 | 比較的強い | 非常に弱い |
| 酸素要求量 | 低め | 高い |
| エサ | 冷凍エサにも慣れる | 生き餌必須 |
| 水槽サイズ | 小さめでも可 | 大型水槽必須 |
| 飼育難易度 | ★★☆☆☆(比較的容易) | ★★★★★(極めて困難) |
✅ まとめ
・モンゴウイカ(コウイカ)は、甲を持ち浮力を調整できるため省エネで飼育可能。
・アオリイカは浮力調整ができず常に泳ぎ続ける必要があり、ストレス・酸素不足・狭さ・生き餌依存という複数のハードルが重なる。
・このため「モンゴウイカ=飼育しやすい」「アオリイカ=飼育が極めて難しい」と結論づけられます。
釣り人が釣ったアオリイカを「水槽で飼いたい」と思っても、ほとんどが数日で弱ってしまうのはこのためです。
もし家庭で飼育を考えるなら、モンゴウイカの方が現実的でしょう。


