防波堤が決壊するには、波の力(波圧) が防波堤の耐久力を超える必要があります。
これを定量的に求めるには、以下の要素を考慮する必要があります。
1. 波の力(波圧)の計算
波の力は 波高(H) と 波の周期(T) によって決まります。
一般的に、波の衝撃力(F) は以下の式で近似できます。
F=12ρgH2F = \frac{1}{2} \rho g H^2
ここで、
- ρ\rho は海水の密度(約1025 kg/m³)
- gg は重力加速度(9.8 m/s²)
- HH は波高(m)
例えば、波高5m の波が防波堤に当たる場合、
F=12×1025×9.8×52F = \frac{1}{2} \times 1025 \times 9.8 \times 5^2 F≈125,000 N/m²(約12.5トン/m2の圧力)F ≈ 125,000 \text{ N/m²}(約12.5トン/m²の圧力)
これが瞬間的に防波堤にかかることで、強度を超えると破壊が起こります。
2. 防波堤が決壊する要因
防波堤が決壊する主な要因は以下の通りです。
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波の衝撃圧
- 台風時には10m級の大波 も発生し、波圧が50トン/m² 以上になることも。
- 防波堤の強度を超えると、ひび割れや剥離が起きる。
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基礎の洗掘(スカウリング)
- 波が繰り返し当たることで、防波堤の下の地盤が削られ、支えがなくなり崩壊。
-
津波や高潮による水圧の急激な変化
- 台風時の高潮 や 津波 では、防波堤の裏側にも水圧がかかり、押し出されて倒壊する。
3. 台風時の波のエネルギー
波のエネルギーは以下の式で求められます。
E=18ρgH2LE = \frac{1}{8} \rho g H^2 L
ここで、
- LL は波長(約1.56 × T2T^2 で求められる)
- TT が10秒の波では、波長は約150m
この場合、1m²あたりの波エネルギーは数百kJに達し、防波堤を破壊する力がある ことがわかります。
4. 実際の台風での破壊例
- 2018年の台風21号 では、関西国際空港の防波堤が一部破壊。
- 波高10m以上 の波が数時間続き、コンクリートブロックが流される事態に。
台風の波は 通常の波の10倍以上の衝撃力 を持ち、防波堤の設計強度を超えると崩壊する のです。
まとめ
📌 防波堤が決壊する原因は、
✅ 台風の高波(10m級)による強烈な波圧(50トン/m²)
✅ 基礎部分の洗掘(スカウリング)で支えが失われる
✅ 高潮や津波による圧力変化で倒壊
📌 防ぐには、
✅ より厚みのある防波堤を設計(波圧を分散)
✅ 基礎の補強(洗掘対策)を徹底する
✅ 消波ブロックで波の力を減衰させる
結論:10m級の波が続くと、従来の防波堤でも決壊するリスクが高まる!
台風時の波の破壊力は計り知れないため、沿岸の防波堤は適切なメンテナンスと補強が必須です。


