水温が上がると匂いがきつくなる魚が出る理由は、生物学的・環境的な要因が複合的に関係しています。
以下にその主な理由を解説します。
1. 微生物やプランクトンの活性化
- 微生物の増加: 高水温になると水中の微生物やプランクトンの活動が活発になり、腐敗や分解が進みます。この結果、水中の有機物が分解されて独特の匂い成分(メタンチオールやアンモニアなど)が発生します。
- 魚の餌の変化: 魚がこうした有機物やプランクトンを多く摂取すると、体内にそれが取り込まれ、匂いがきつくなる原因となります。
2. 餌環境の変化
- 水温が上がると、魚の主な餌である藻類や小型生物(底生動物、プランクトンなど)の種類や量が変化します。
特に、腐敗しやすい有機物や匂いの強い藻類を餌として摂取することで、魚体に匂いが蓄積されることがあります。
3. 代謝の活性化
- 魚の代謝が上がる: 水温が上がると、魚の新陳代謝が活発になり、餌の摂取量や消化速度が増加します。これにより、匂いの原因となる物質が体内で生成・蓄積されやすくなります。
4. 脂肪分の影響
- 一部の魚は水温が高い時期に脂肪分が増えることがあります。脂肪は匂いを吸着しやすい性質を持つため、体内に匂いの原因となる成分が蓄積されやすくなります。
5. 水質の変化
- 高水温になると水中の溶存酸素量が低下します。この状態では、底質の嫌気性微生物(酸素を使わない微生物)が増え、硫化物やアンモニアなどの匂い物質を発生させます。これが魚体に取り込まれることで、匂いが強くなります。
6. 繁殖活動の影響
- 夏場や高水温期には多くの魚が繁殖期を迎えます。繁殖活動中のホルモン変化や行動(餌摂取量の増加など)により、体臭が変化する場合があります。
具体例
- ボラやチヌ: 汽水域や内湾に生息する魚は、高水温期に藻類やデトリタスを多く摂取するため、匂いが強くなりやすい。
- アジやサバ: 夏場に脂肪分が増え、独特の匂いが出ることがある。
結論
水温が上がると匂いがきつくなる主な理由は、水中の環境変化(微生物・プランクトンの増加、
水質変化)と、魚の生理的な変化(代謝活性化、餌の変化、脂肪分増加)が関係しています。
釣りをする際には、匂いが気になる場合は**水温が安定して低い場所(外洋近くや深場)**
を選ぶことで、匂いの少ない魚を狙うことができます。


