【魚の教科書】エラはなぜ赤い?なぜ食べない?「最強のフィルター」の正体と、絶対に除去すべき理由

釣った魚を捌くとき、最初に手をつけるのが「エラ」の除去ですね。

ヌルヌルして、真っ赤で、見た目はちょっとグロテスク。

「なんでこんな複雑な形をしているの?」

「もしかして、焼いたら食べられるんじゃない?」

そんなふうに思ったことはありませんか。

実はエラは、単なる呼吸器以上の、ものすごいハイテク機能を備えた「精密機械」なんです。

今回は、魚の命をつかさどるエラの秘密と、なぜ絶対に食べてはいけないのかについて、どこよりも詳しく解説します。

1.エラの構造:ただのヒダヒダじゃない

まず、エラをよく観察してみましょう。

大きく分けて3つのパーツでできています。

1.鰓弓(さいきゅう): アーチ状の硬い骨。エラの土台です。

2.鰓耙(さいは): 口の内側に向かって生えている、櫛(くし)のようなトゲトゲ。プランクトンやゴミがエラに詰まるのを防ぐフィルターの役目をします。

3.鰓弁(さいべん): 外側に向かって生えている、柔らかい赤色の房。ここで呼吸をします。

2.驚異の機能:酸素を取り込み、塩を捨てる

エラの役割は、人間でいう「肺」と「腎臓」を足したようなものです。

【水中での呼吸】

水に含まれる酸素は、空気中の約30分の1しかありません。

そんな薄い酸素を効率よく取り込むために、エラは無数のヒダになり、表面積を爆発的に広げています。

その面積は、魚の体表面積の10倍以上とも言われます。

水流と血液を逆方向に流すことで、90%近い効率で酸素を回収しています。

【塩分調整(浸透圧調整)】

これが意外と知られていない機能です。

海水魚は、常に海水を飲んで水分補給していますが、そのままだと塩分過多で死んでしまいます。

そこで、エラにある特殊な細胞を使って、余分な塩分を海水中に「能動的」に捨てているのです。

まさに、天然の淡水化装置ですね。

3.なぜエラは「赤い」のか?

新鮮な魚のエラが鮮やかな赤色をしている理由。

それは、**「毛細血管の塊」**だからです。

効率よくガス交換(酸素を取り込み、二酸化炭素を出す)を行うために、皮膚ギリギリまで血管が露出しています。

血液中のヘモグロビンが酸素と結びついているため、鮮やかな赤色に見えるのです。

逆に、魚が死んで時間が経つと、酸素との結合が解けたり、血液が酸化・分解したりして、

ドス黒く変色していきます。

スーパーで魚を選ぶ際、「エラを見ろ」と言われるのは、この色の変化が一番正直な

「鮮度のバロメーター」になるからです。

4.絶対に食べてはいけない3つの理由

「内臓(ホルモン)が美味しいなら、エラもいけるのでは?」

その探究心は素晴らしいですが、エラだけはNGです。

理由は大きく分けて3つあります。

理由1:汚れと細菌の「集積所」である

エラは、海中の海水を大量に通すフィルターです。

海水中のゴミ、泥、そして細菌や寄生虫が最も付着しやすい場所です。

いわば、掃除機のフィルターパックを食べるようなもの。

衛生的に非常に危険です。

理由2:腐敗のスピードが異常に速い

血管の塊であり、かつ細菌が多い場所なので、魚が死んだ瞬間から猛烈なスピードで腐敗が始まります。

生臭さの原因である「トリメチルアミン」などの腐敗臭が最初に発生するのがエラです。

理由3:とにかく不味い

物理的な構造が複雑すぎて、砂や泥を完全に洗い流すのが困難です。

食べると「ジャリッ」とした砂の食感に加え、強烈な生臭さと、血液由来の鉄臭さ、そして苦味が口いっぱいに広がります。

どんなに新鮮でも、食材としての価値はゼロに近いです。

まとめ:釣ったら即「エラ切り」が鉄則

エラの機能を知れば知るほど、「食材」ではなく「除去すべき臓器」であることが分かりますね。

美味しい魚を食べるための鉄則。

それは、**「釣ったらすぐにエラを切って血を抜くこと」**です。

エラに残った血液は、腐敗の引き金となり、身に臭みを移してしまいます。

現場でエラを切り、海水でフリフリして血を抜く。

これだけで、持ち帰った後の魚の味は劇的に変わります。

釣太郎では、皆様の釣果を美味しく持ち帰るための活き締め用ナイフや、大型クーラーも取り揃えています。

「エラ、うまく取れないんだよね」という方は、スタッフにコツを聞いてください。

最高の状態で持ち帰って、南紀の魚本来の味を楽しみましょう。

 

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