南紀で釣りをしていると、
「今日は潮が高いな」
「やけに底が浅く感じるな」
そう思う日がある。
それは気のせいじゃない。
南紀の大潮は、季節によって潮位差の“出方”がまるで違う。
この違いを知らずに釣りをすると、
ポイントもタナもズレる。
逆に知っていれば、
人が打たない時間・立たない場所が“生きたポイント”になる。
南紀地方の大潮とは何が特徴か
南紀(田辺〜白浜〜串本)は、
全国的に見ても潮位差が出やすい海域だ。
理由はシンプル。
・太平洋に直接開けている
・黒潮の影響を強く受ける
・湾奥と外洋で地形差が大きい
この条件が重なることで、
大潮+季節要因が噛み合った時、
潮位は一気に振れる。
季節ごとの大潮・潮位差の目安
ここからが本題。
南紀で実感される、現実的な潮位差を季節別にまとめる。
春(3〜5月)
・満潮と干潮の差
→ 約160〜190cm
春の大潮は、
「一番分かりやすい潮」だ。
干潮時は磯が一気に露出し、
満潮では普段見えない根が完全に沈む。
春アオリの実績磯で
「干潮は立てるが、満潮は無理」
そんな場所が多いのはこの時期。
夏(6〜8月)
・満潮と干潮の差
→ 約140〜170cm
数字だけ見れば春より小さい。
だが体感は逆。
理由は波とウネリ。
夏は潮位差+ウネリで、
満潮時の“実効水位”が異常に高くなる。
堤防の先端、
低い磯、
夏に「水没しやすい」と言われる場所は、
ほぼこの組み合わせが原因だ。
秋(9〜11月)
・満潮と干潮の差
→ 約130〜160cm
秋は一番“読みやすい”。
潮位差は穏やかで、
波も比較的落ち着く日が多い。
アオリ、青物、グレ。
釣りやすいと感じる人が多いのは、
潮位が安定しているからだ。
足場が安定し、
タナの再現性が高い。
初心者が釣果を出しやすいのも秋。
冬(12〜2月)
・満潮と干潮の差
→ 約110〜140cm
数字は小さい。
だが油断すると痛い目を見る。
冬は北西風。
干潮+強風で、
「底が見えすぎる」
「魚が沈む」
逆に満潮+ウネリの日は、
潮位差以上に危険度が跳ね上がる。
冬の大潮は、
潮位差より“風との組み合わせ”を見る季節だ。
潮位差が釣りに与えるリアルな影響
潮位差は、
単に「高い・低い」じゃない。
・磯に立てるか
・根が出るか
・タナが何メートル変わるか
・魚が差すか、引くか
特に南紀では、
干潮基準で覚えている地形が、
満潮で完全に別物になる。
「ここは3ヒロ」
と思っていた場所が、
実は満潮では5ヒロ。
これ、珍しくない。
南紀の釣りは「潮位差×季節」で読む
南紀の海は正直だ。
・春は大きく動く
・夏は荒れる
・秋は安定する
・冬は読みにくい
潮位差だけを見ても意味はない。
季節とセットで考える。
それが南紀流。
要約
・南紀の大潮は季節で潮位差が大きく変わる
・最大は春、最小は冬
・夏はウネリ込みで危険度が上がる
・秋は最も安定し、釣りやすい
・数字より「現場でどう変わるか」が重要
潮を知ることは、
魚を知ることじゃない。
海を読むことだ。
それができるようになると、
南紀の釣りは一段、深くなる。

