釣った魚を料理する時、一番の天敵となるのが「ヌメリ」です。
水で何度洗っても、いつまでもヌルヌルして不快ですよね。
実は、このヌメリ、ただの水洗いでは落ちない理由があります。
今回は、魚のヌメリの意外な正体と、誰でも簡単にできる「完璧な除去方法」をご紹介します。
1. ヌメリの正体は「生体防御システム」
あのしつこいヌメリの正体は、主に**「ムチン」**という糖タンパク質です。
これは、オクラや納豆、私たち人間の胃粘膜や鼻水に含まれる成分と同じ仲間です。
魚にとって、このヌメリは非常に重要な役割を果たしています。
-
バリア機能: 寄生虫や細菌の侵入を防ぐ「鎧」の役割。
-
摩擦軽減: 水中をスムーズに泳ぐために、水の抵抗を減らす「潤滑油」の役割。
-
浸透圧調整: 体内の水分バランスを保つ役割。
つまり、魚が生きるためにまとっている「最強のボディスーツ」なのです。
だからこそ、少々の水流では剥がれ落ちないよう、強力に体に密着しています。
2. なぜヌメリを取らないといけないの?
「魚を守っているなら、そのままでいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、食べるとなると話は別です。
魚が死んだ後、このヌメリは**「雑菌の温床」**へと変わります。
そして、あの独特な「生臭さ」の最大の原因となるのです。
ヌメリを放置して調理すると、包丁やまな板に菌と臭いが移り、刺身の味を台無しにしてしまいます。
「魚が臭い」と感じる時のほとんどは、このヌメリ処理が不十分であることが原因です。
3. 水だけでは落ちない!効果的な3つの除去法
水道水でゴシゴシ洗うだけでは、ヌメリは完全には取れません。
以下の方法を使えば、驚くほどキュキュッと綺麗になります。
① 塩で揉み出す(基本) 魚の表面に多めの塩を振り、手でこすり合わせます。
浸透圧の効果で、水分と一緒にヌメリが浮き上がってきます。
その後、水で洗い流せばスッキリ取れます。
② 包丁でこそげ取る(「こけ引き」) 包丁を立てて、尾から頭に向かって、皮膚を撫でるように動かします。
目に見えて白いドロドロとしたものが取れます。
特にカレイやヒラメなど、ヌメリの強い魚に有効です。
③ 熱湯をかける(「霜降り」) これが最も効果的なプロの技です。
まな板に魚を置き、80度くらいのお湯をサッとかけます。
すると、表面のタンパク質が白く固まります。
すかさず冷水に取り、指で優しくこすると、ヌメリが垢のようにボロボロと剥がれ落ちます。
※煮魚や汁物にする場合は、この「霜降り」をするだけで、仕上がりの味が劇的に上品になります。
まとめ:ヌメリを取れば、魚はもっと旨くなる
「釣った魚は臭い」と思っているなら、それは魚のせいではなく、ヌメリのせいかもしれません。
調理の前にひと手間かけるだけで、劇的に臭みが消え、旨味が際立ちます。
釣太郎では、鮮度を保つための氷や、魚を持ち帰るためのグッズも充実しています。
正しい下処理をマスターして、南紀の美味しい魚を味わい尽くしてください。

