釣れたアジを並べてみたとき、「あれ?こっちは体高が高くて平べったいけど、こっちは細長くて
丸っこいな」と気づいたことはありませんか?
一見すると「種類の違うアジ(丸アジと真アジ)かな?」と思ってしまいますが、
実はこれ、**両方とも正真正銘の「真アジ」**であることが多いのです。
なぜ同じ魚なのに、これほどまでに体型が変わってしまうのか?
その理由は、彼らの「生活環境」と「食生活」にありました。
今回は、真アジの体型の秘密である「居着き型」と「回遊型」の違いについて徹底解説します。
1. 体高が高い「平アジ」= 贅沢な「居着き型」
体高があり、横から見ると幅広で平べったく見えるアジ。
釣り人の間では「ヒラアジ」とも呼ばれますが、これは一般的に**「居着き型(瀬付き)」**のアジです。
特徴:メタボで金色
このタイプは、湾内や特定の岩礁帯(瀬)に定住し、あまり遠くまで移動しません。
浅瀬にいるため体色が黄色っぽくなり、「金アジ(キアジ)」と呼ばれるブランドアジもこのタイプに含まれます。
なぜ体高が高くなるのか?
彼らは豊富な餌がある場所に定住しており、あまり激しく泳ぎ回る必要がありません。
人間で言えば、あまり運動せずに美味しいものばかり食べている状態です。
その結果、たっぷりと脂肪を蓄え、お腹周りや背中に肉がつき、全体的に丸みを帯びた「体高の高い」形状になります。
脂の乗りが抜群に良く、刺身にして最高に美味しいのはこのタイプです。
2. スマートな「丸アジ体型」= アスリートな「回遊型」
一方、体が細長く、断面が丸に近い形状をしているアジ。
一見すると別種の「マルアジ(アオアジ)」に見間違えることもありますが、これも真アジの
一種で、**「回遊型(沖アジ)」**と呼ばれます。
特徴:黒っぽくて筋肉質
このタイプは、外洋の広い海を群れで泳ぎ回っています。
沖合の深い場所にいることが多いため、背中が黒っぽく、「クロアジ」や「ノドグロ(喉が黒い)」と呼ばれることもあります。
なぜ丸くスマートになるのか?
彼らの生活は、常に潮の流れに乗って泳ぎ続けるハードなものです。
水の抵抗を減らすために、体は流線型のスマートな筒状(丸型)に進化しました。 人間で言えば、マラソンランナーのような引き締まった体つきです。
脂肪分は少なめですが、身が引き締まっており、コリコリとした筋肉質な食感が楽しめます。
3. 写真のアジを見分けるポイント
ご提示いただいた写真を見ると、個体差はあるものの、真アジ特有の美しい側線(ゼイゴ)が確認できます。
同じ群れの中にいても、個体の成長度合いや、食べたエサの量によって体高に差が出ることはよくあります。
しかし、極端に「丸い」場合は、以下の点を確認してみてください。
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「真アジの回遊型」:ゼイゴ(側線のギザギザ)が体の全体にしっかりある。
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「マルアジ(別種)」:ゼイゴが体の後ろ半分(尾に近い方)にしかない。また、尾ビレの付け根に小さな「小離鰭(しょうりき)」という突起がある。
今回の写真の個体は、どちらも立派な真アジに見えますので、おそらく「群れの中での個体差」か、
回遊性の強い個体と、少し栄養状態の良い個体が混じった結果と言えるでしょう。
4. まとめ:体型で味がわかる?
スーパーや魚屋でアジを選ぶとき、あるいは釣り上げたアジを見るとき、この「体高」に注目してみてください。
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体高が高く、平べったい = 脂が乗った濃厚な味(刺身向き)
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細長く、丸っこい = 身が締まったサッパリした味(フライや干物向き)
「今日の夕飯は刺身だから、なるべく平べったいアジを選ぼう」
そんな目利きができるようになると、釣りの楽しみも食べる楽しみも倍増します。

