タチウオの光沢の秘密とは?

皆さんご存じタチウオ

とても魚とは思えない美しい銀色の光沢と、その細長い体が特徴です。

この光沢はどういった原理で成り立っているのでしょうか?

~光沢の正体~

タチウオの銀色の輝きは、グアニン(guanine)という物質によるものです。
グアニンはもともとDNAやRNAを構成する塩基の一種ですが、
魚類では皮の中にある微細な結晶として存在します。

この結晶が鏡のように光を反射するため、
タチウオはまるで金属のように光を放って見えるのです。

タチウオの皮膚には、
「真皮」と「表皮」の間に反射板のような層(イリドフォア細胞)があります。

この細胞の中にグアニンの薄片が何層にも積み重なっており、
入射した光が層の間で何度も反射・干渉することで、
金属的な強い輝き(鏡面反射)が生まれます。

つまり、
タチウオは天然のミラー構造を体に持つ魚なのです。

~なぜそうなった?~

タチウオは夜行性で深海~中層に生息しています。
昼間は垂直姿勢(頭を上に)で海中に漂い、
周囲の光を反射して背景に溶け込む「隠れ色」になります。

つまり、あの銀色は「敵から身を守るためのカモフラージュ」。
暗い海で“銀色の鏡”のように光を反射することで、
シルエットを消しているのです。

一方で、狩りのときにはその光沢が逆に餌を惑わせる武器になります。
光を反射して急にピカッと光ることで、
イワシやアジなどの小魚に「反射的な逃避行動」を起こさせ、
その動きを逆手に取って捕食するとも言われます。

~ちなみに~

タチウオの皮から取れるグアニン結晶は、
かつて「パールエッセンス(真珠光沢剤)」として
化粧品や絵の具に利用されていました。

現在では化学合成品に置き換わりましたが、
昔のマニキュアや口紅にはタチウオやニシンの鱗由来のグアニンが含まれていた時代もあります。

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