天敵が多い魚でも視力が悪い理由は?

天敵が多い魚でも視力が悪い理由はいくつかあります。
魚の「視力の良し悪し」は、必ずしも捕食者から逃げるためだけに進化しているわけではなく、生息環境や生活様式とのバランスで決まります。
以下に代表的な要因を整理します。


① 生息環境の光条件

・深場や濁った沿岸に棲む魚は、光が弱く見通しが効かない環境に適応しています。
・光量が少ない水中では、網膜の「明暗を感じる細胞(桿体)」が発達し、色や細かい輪郭を識別する「視力」そのものは低くても、生き残る上で不利になりにくいです。
・例:深海魚、泥底に棲むカレイやハゼなど。


② 他の感覚が優先されている

・側線(そくせん)による水流・振動の感知、嗅覚、聴覚などが非常に発達している魚では、目に頼らなくても捕食者の接近を察知できます。
・暗い場所や夜行性の魚では、視力よりも「気配を察知する感覚」のほうが生存に直結します。
・例:ナマズ、ウナギ、メバルなど夜行性の魚。


③ 捕食者からの隠れ方

・視力が悪くても、擬態や体色変化、岩陰に潜む習性などで身を守れる魚は、強い視力を維持する必要がありません。
・保護色や棘、毒など別の防御手段を持つ魚は、「見て逃げる」より「隠れてやり過ごす」戦略を選びます。
・例:フグ(毒)、カサゴ(棘と保護色)。


④ 進化上のコストバランス

・視覚を鋭くするには、脳や網膜を発達させるためにエネルギーが必要です。
・その分のコストを、より必要な器官(筋肉や嗅覚など)に回した方が有利な場合、視力が低いままでも種として存続できます。


まとめ

天敵が多くても「視力=生存率」ではありません。
・光の少ない環境
・他の感覚の発達
・擬態や棘・毒などの防御
これらの要素がそろえば、視力が弱くても十分に生き残れるため、魚によっては視覚を犠牲にした進化を選んでいるのです。

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