「冬のイガミ(ブダイ)釣りといえば、ホンダワラ」。
かつては、多くの釣り人が当たり前のように使っていたこの特効エサが、近年、ほとんどの釣り場
から姿を消してしまいました。
「昔は堤防の際やテトラにびっしり生えていたのに…」。
「ホンダワラがないと、イガミが釣れる気がしない」。
そんな嘆きの声が聞こえてきます。
この記事では、イガミ釣りを愛するあなたのために、ホンダワラがなぜ消滅してしまったのか、
その背景にある深刻な理由を徹底的に解説します。
さらに、今後のイガミ釣りに役立つ代替エサについてもご紹介します。
かつてのイガミ釣りにおけるホンダワラの重要性
ホンダワラは、イガミが好んで捕食する海藻です。
そのため、エサとして使うと抜群の食いの良さを誇りました。
適度な硬さでエサ持ちが良く、手に入れやすかったことから、まさに「特効エサ」として不動の地位を築いていたのです。
冬の寒い時期、足元の磯でホンダワラを採取し、それで良型のイガミを釣り上げるのは、多くの釣り人にとって最高の楽しみの一つでした。
ホンダワラが消滅した3つの深刻な理由
では、なぜあれほど豊富にあったホンダワラが、私たちの目の前から消えてしまったのでしょうか。
その背景には、単一ではない、複数の要因が複雑に絡み合った海の環境問題が存在します。
理由①:広範囲に広がる「磯焼け」
最も大きな原因とされているのが「磯焼け」です。
磯焼けとは、かつて海藻が豊かに生い茂っていた沿岸の岩場から、海藻が消えてしまい、まるで砂漠のような状態になってしまう現象を指します。
ホンダワラもこの影響を直接受け、生育する場所そのものを失ってしまったのです。
磯焼けが起こる原因は一つではありませんが、
- 沿岸域の開発による環境変化
- 河川から海に流れ込む栄養分の減少
- 海流の変化
などが複合的に影響していると考えられています。
理由②:地球温暖化に伴う「海水温の上昇」
地球温暖化による海水温の上昇も、ホンダワラの減少に深刻な影響を与えています。
ホンダワラは、比較的冷たい水温を好む海藻です。
しかし、近年の海水温上昇により、ホンダワラが生育するのに適した環境が失われつつあります。
特に、南方系の海藻との生存競争に敗れ、徐々にその分布域が北上している、あるいは消滅している地域も少なくありません。
秋から冬にかけて水温が下がりきらず、ホンダワラが繁茂する前に枯れてしまう、という現象が各地で報告されています。
理由③:アイゴ・ウニなど「植食性動物による食害」
海水温の上昇は、別の問題も引き起こしています。
それは、アイゴやウニといった、海藻を食べる生き物(植食性動物)の活発化です。
- アイゴ: かつては水温が下がる冬には活動が鈍っていましたが、温暖化により冬でも活発に海藻を食べるようになりました。
- ウニ: 天敵である魚(イシダイなど)の減少により数が増えすぎ、海藻を食べ尽くしてしまう「食害」が深刻化しています。
これらの生き物が、ようやく芽生えたホンダワラの若い芽を食べ尽くしてしまうため、
海藻が育つことができず、結果として藻場が再生しないという悪循環に陥っているのです。
ホンダワラの消滅がイガミ釣りに与える影響
特効エサであったホンダワラの消滅は、イガミ釣りに以下のような影響を与えています。
- エサの確保が極めて困難になった
- 釣りのスタイルやポイント選びの変更を余儀なくされた
- 以前のような安定した釣果を上げることが難しくなった
釣り人にとって、これは非常に深刻な問題です。
どうすればいい?ホンダワラの代替エサ候補
ホンダワラが手に入らない今、私たちはどのようなエサでイガミを狙えば良いのでしょうか。
地域によって違いはありますが、現在主流となっている代替エサをご紹介します。
これらの代替エサを状況に応じて使い分けることが、今後のイガミ釣りで釣果を上げるカギとなるでしょう。
まとめ:未来の釣り場のために私たちができること
ホンダワラの消滅は、単に「イガミ釣りのエサがなくなった」という単純な話ではありません。 それは、私たちの愛する海が、深刻な環境問題を抱えているという**「海からのSOS」**なのです。
この問題の根本的な解決は簡単ではありませんが、釣り人である私たちにもできることがあります。
- 釣り場のゴミは必ず持ち帰る
- 小さな魚はリリースする
- 海の環境問題に関心を持つ
一人の力は小さいかもしれません。 しかし、多くの釣り人が意識を変えることで、未来の釣り場を守る大きな力になります。
この記事が、あなたのイガミ釣りの一助となり、そして、豊かな海を未来に残していくことを考えるきっかけになれば幸いです。


