魚介類や刺し身を食べた後に下痢や嘔吐を起こしたとき、多くの人が「寄生虫に当たったのでは?」と考えます。
確かに魚にはアニサキスなどの寄生虫が存在しますが、実際の食あたりの大半は細菌やウイルスが原因です。
本記事では「食あたりは寄生虫が原因なのか」「下痢や嘔吐で出せば大丈夫なのか」という疑問を、
釣り人や魚を扱う方にもわかりやすく解説します。
1. 食あたりの主な原因は寄生虫ではない
食あたり(食中毒)と聞くと「アニサキス」を思い浮かべる方が多いですが、実際には次のような原因が多いのです。
1-1. 細菌によるもの
・腸炎ビブリオ:夏の魚介類に多い。強烈な腹痛と下痢を引き起こす。
・サルモネラ菌:魚介類や卵に付着。嘔吐や発熱を伴う。
・黄色ブドウ球菌:おにぎりやお惣菜で有名だが、魚介でも発生する。
1-2. ウイルスによるもの
・ノロウイルス:冬場のカキなどで有名。少量でも感染力が強く、激しい嘔吐・下痢。
1-3. 寄生虫によるもの
・アニサキス:刺し身に潜む代表的な寄生虫。胃に噛みつき、数時間で激しい差し込むような痛みを起こす。
・クドア:ヒラメなどに寄生し、下痢を引き起こすことがある。
👉 結論として、食あたりの原因は大半が細菌やウイルスであり、寄生虫は一部に過ぎないということです。
2. 下痢や嘔吐で出せば大丈夫なのか?
「体が吐き出したから安心」という考え方は危険です。
2-1. 下痢・嘔吐は防御反応にすぎない
人間の体は、異物や毒素を排出するために下痢や嘔吐を起こします。
しかし、菌やウイルスの一部は腸内に残って増殖を続ける可能性があるため、完全に出し切ったとは限りません。
2-2. 重症化するケース
・脱水症状(下痢・嘔吐が続くと水分と電解質を失う)
・高齢者や子どもは体力が低下し、入院が必要になることもある
・寄生虫(アニサキス)は吐き出すことでは解決せず、内視鏡での摘出が必要
👉 つまり、下痢や嘔吐で「出したから大丈夫」とは限らないのです。
3. 食あたりを防ぐためのポイント
魚や刺し身を食べる方、特に釣り人にとっては鮮度管理が命。
次の点に注意しましょう。
3-1. 保存温度の徹底
・魚は0〜2℃のチルド環境で保存。
・氷は真水よりも海水氷がベスト。冷却力が1.5〜3倍高く、菌の増殖を抑えられる。
3-2. 調理前の注意
・必ず清潔な包丁とまな板を使用。
・生食するなら「目利き」で新鮮な魚を選ぶこと。
3-3. 加熱や冷凍で寄生虫対策
・アニサキスは60℃以上で1分、または−20℃で24時間以上冷凍すると死滅。
・クドアも冷凍処理で対策可能。
4. まとめ|「出せば大丈夫」は間違い
・食あたりの原因は多くが細菌・ウイルスで、寄生虫は一部にすぎない。
・下痢や嘔吐は体の防御反応だが、体内に菌や毒素が残っている可能性がある。
・寄生虫(アニサキス)は自然排出では治らず、医療処置が必要。
・防ぐには消費期限の厳守・海水氷による鮮度管理・加熱や冷凍処理が欠かせない。
「大丈夫だろう」と自己判断するのではなく、適切な保存と処理を徹底することが、魚を美味しく安全に楽しむ最大のコツです。


