「完全養殖」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
これは 卵から孵化 → 成長 → 成魚 → 産卵 → 次世代へ というサイクルを人工的に繰り返せる仕組みを指します。
従来の養殖は稚魚を天然から採捕する「採捕依存型」でしたが、完全養殖の実現により 資源保護・安定供給・高品質化 が可能になりました。
では、現在どんな魚が完全養殖されているのでしょうか?
完全養殖が実現している主な魚種
① クロマグロ(本マグロ)
・日本の養殖研究の代表例。
・近畿大学が世界で初めて完全養殖に成功(1970年)。
・現在は民間企業でも取り組みが進み、市場にも安定的に流通。
・「近大マグロ」に代表されるようにブランド化も進んでいます。
👉 マグロ資源枯渇問題に対応する切り札として注目。
② ヒラメ
・ヒラメも完全養殖が可能になった代表的な魚。
・天然稚魚の採捕に依存しないため、安定した供給が実現。
・市場では養殖ヒラメのシェアが高まり、飲食店でも一般的に流通しています。
③ シマアジ
・高級魚シマアジも完全養殖に成功。
・天然魚は数が少なく価格が高騰するため、養殖が普及したことで飲食店での提供が増えました。
・肉質は天然に劣らず、むしろ脂の乗り具合は養殖の方が安定。
④ ブリ(ハマチ)
・ブリは養殖の歴史が長い魚ですが、現在は完全養殖の技術も確立済み。
・九州・四国を中心に養殖が盛んで、スーパーマーケットや回転寿司でも定番化。
・天然資源の保護と安定供給を両立しています。
⑤ クエ(アラ)
・幻の高級魚クエも完全養殖が進んでいます。
・天然では高値で取引されるため、養殖成功によって飲食店や市場での流通が拡大。
・資源保護と価格安定の両面で期待されています。
⑥ トラフグ
・冬の味覚の王様・トラフグも完全養殖化が進展。
・天然資源への負荷を軽減しつつ、安定した品質のフグを提供可能に。
・高級料亭から大衆居酒屋まで幅広く普及しています。
⑦ カンパチ
・回遊魚であるカンパチも完全養殖化が進んでいます。
・ブリやヒラマサと並び人気の青物として、需要が高い魚種。
・脂がのりやすく、寿司・刺身・煮付けなど幅広い料理で人気。
完全養殖のメリット
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資源保護:天然稚魚の乱獲を防ぎ、持続的な漁業を実現。
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安定供給:季節や漁獲量に左右されず、年間を通して流通可能。
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品質管理:病気予防や餌の工夫で、脂の乗り具合や味をコントロール可能。
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価格安定:高級魚も養殖普及により手が届きやすくなる。
今後の展望
・クロマグロに続き、サワラやタイ類など他の高級魚にも完全養殖技術が応用される可能性が高いです。
・SDGsの観点からも「持続可能な水産資源」として養殖魚の需要は拡大。
・今後は「完全養殖ブランド」が飲食店やスーパーの差別化要因になるかもしれません。
まとめ
現在、完全養殖が確立している主な魚は以下の通りです。
・クロマグロ
・ヒラメ
・シマアジ
・ブリ(ハマチ)
・クエ
・トラフグ
・カンパチ
完全養殖は「資源保護」「安定供給」「品質向上」を同時に実現する革新的技術。
これからの食卓には、ますます「完全養殖魚」が身近な存在となっていくでしょう。


