釣った魚を「暴れさせてから締める」と、刺身や煮付けにした時の味が落ちることをご存じでしょうか。
この記事では、魚を暴れさせると不味くなる科学的な理由と、釣り人が実践すべき鮮度管理の
テクニックを意識して詳しく解説します。
魚を暴れさせると不味くなる理由
① 筋肉に乳酸が溜まる
魚が激しく暴れると、筋肉に大量のエネルギーが使われ、乳酸が蓄積されます。
この乳酸は筋肉を酸性にし、ATP(旨味のもとになる物質)の分解を早めてしまいます。
結果として、死後硬直が早まる → 旨味成分が減る → 身が硬くなるという悪循環につながります。
② 血が回り身に臭みが残る
暴れることで全身に血液が巡り、血の滲み(血栓)や内出血が身に残ります。
この血が酸化すると「生臭さ」の原因となり、魚特有のクリアな味が失われます。
③ ストレスでホルモンが分泌される
魚も人間と同じく、強いストレスを感じるとホルモン(アドレナリンなど)を分泌します。
これにより血流や筋肉の代謝が活性化し、細胞の損傷や身質の劣化が進みやすくなります。
暴れさせずに速やかに締めることが、美味しさを守る大きなポイントです。
実際の食味の差
・暴れた魚:
身が水っぽくなり、弾力が強すぎてゴムのような食感になることがあります。
・暴れさせなかった魚:
死後硬直までの時間がゆっくり進み、旨味成分(イノシン酸・グルタミン酸)がしっかり残るため、刺身にしたときに甘みが増します。
釣り人ができる美味しさを守るテクニック
① 即締め(脳締め・神経締め)
魚を釣り上げたらすぐに脳天や神経を締めることで、暴れる時間を最小限にできます。
これにより死後硬直が遅れ、旨味が増す熟成が可能になります。
② 血抜き
暴れさせると血が全身に回ってしまうため、できるだけ落ち着かせてからエラや尾を切って血抜きを行いましょう。
クーラーボックスの中に「海水氷(氷+海水)」を作っておき、血抜き後すぐに冷却するのがベストです。
③ 海水氷で冷却
真水の氷よりも海水氷の方が魚の浸透圧に近いため、身崩れや水っぽさを防ぎます。
暴れさせずに締めた魚を海水氷で冷やせば、食味は格段に良くなります。
まとめ|「暴れさせない」が最高の調味料
釣った魚を暴れさせると
・乳酸で旨味が減る
・血で臭みが出る
・ストレスで身質が悪化する
という理由から、確実に味が落ちます。
釣り人ができる最高の調味料は「暴れさせない工夫」そのものです。
締め方・血抜き・海水氷での冷却を組み合わせれば、釣った魚を「最高の食材」に変えることができます。


