なぜ釣りエサでオキアミが使われ出したのか?徹底解説ブログ

はじめに

釣りを始めたばかりの人にとって「オキアミ」というエサは当たり前のように存在します。
防波堤でも磯でも、さらには船釣りでも、クーラーボックスの横には必ずといっていいほどブロック状に凍ったオキアミが積まれている光景を目にします。

しかし、よく考えてみれば「なぜオキアミがここまで定番になったのか?」という疑問が湧いてきます。
昔から釣りエサといえば「ゴカイ・イソメ」「カニや貝」「小魚」などが一般的でした。

では、オキアミが釣りエサとして広まった背景は何だったのでしょうか。
本記事では、その歴史・経済的要因・釣り人にとっての利便性・魚にとっての栄養価や嗜好性など、あらゆる角度から深掘りしていきます。


第1章 オキアミとは何か?

まず前提として、オキアミそのものについて簡単に整理しておきましょう。

・分類:甲殻類の一種(エビやカニの仲間)
・体長:1〜5cm程度
・分布:世界中の海に生息、特に南極海に大群がいる
・食物連鎖:クジラ・魚類・海鳥など多くの生物の主要なエサ

つまり、オキアミは海の中では「プランクトンと魚をつなぐ中間的な存在」であり、**ほとんどの魚が一度は口にする“自然界の共通エサ”**といえます。

この普遍性が、のちに釣りエサとして利用される大きな要因になりました。


第2章 釣りエサとしての歴史

2-1 日本の伝統的な釣りエサ

江戸時代や明治時代の文献を見ると、釣りエサは地域で採れる自然の生き物が中心でした。
代表的なのは以下の通りです。

・イソメ(ゴカイ類)
・カニやヤドカリ
・ムラサキイガイやシジミなどの貝類
・小魚(イワシ、アジの稚魚など)

このように、釣り人はその場で採れる生物を使うのが基本でした。

2-2 オキアミの登場

オキアミが本格的に「釣りエサ」として流通し始めたのは1970年代以降といわれています。
背景には以下の要因があります。

・南極海でのオキアミ漁が国際的に盛んになり、大量に冷凍加工されるようになった
・日本の食卓でも「オキアミの釜揚げ」「オキアミ佃煮」として馴染みがあった
・釣具店の冷凍技術が整い、ブロック状で販売できる環境が整った

つまり、漁業の副産物として大量に確保できたオキアミが、釣りエサ市場に転用されたのです。


第3章 なぜ魚はオキアミに食いつくのか?

オキアミが釣りエサとして爆発的に普及した理由のひとつが「魚の食いつきの良さ」です。

3-1 自然界での普遍性

前述の通り、オキアミはほとんどの魚が普段から食べている食材です。
特に、マダイ・グレ・アジ・サバ・イサキといった沿岸魚は、若い時期にオキアミを餌として成長します。
そのため、釣りエサとして使うと違和感なく口を使ってくれるのです。

3-2 高い栄養価と油分

オキアミは小さいながらも栄養が豊富です。
特に以下の点が魚を引きつけます。

・タンパク質が豊富
・アスタキサンチン(赤い色素)が含まれ、視覚的に目立つ
・油分を含み、海中で匂いを拡散しやすい

つまり、見た目・匂い・味のすべてで魚を刺激する理想的なエサといえます。


第4章 流通と価格の強み

釣りエサとして定着するには「魚が食う」だけでは不十分です。
釣り人が使いやすく、コスト的に手が届くことが重要です。

4-1 安価で大量供給可能

南極オキアミ漁は大規模操業で行われるため、1回の漁獲量が膨大です。
そのため、1ブロック(約3kg)が数百円〜千円程度で提供可能となりました。
これは、ゴカイや生き餌と比べても圧倒的に安価です。

4-2 保存性の高さ

冷凍オキアミは長期保存が可能です。
釣具店はまとめて仕入れて冷凍庫で保管でき、釣り人も自宅の冷凍庫でストックできます。

これにより、安定した供給と低価格が維持され、全国に普及しました。


第5章 釣りジャンルごとの広がり

オキアミは万能エサとして多様な釣法に取り入れられました。

5-1 磯釣り(グレ・チヌ釣り)

フカセ釣りでは、オキアミを刺し餌と撒き餌の両方に使用します。
大量に撒くことで魚を寄せ、違和感なく同じ餌で食わせられるのが最大の利点です。

5-2 船釣り(マダイ・イサキ狙い)

コマセマダイ釣りでは、オキアミを撒き餌にして魚を浮かせ、同調させて釣るスタイルが確立しました。

5-3 堤防釣り(アジ・サバ狙い)

サビキ釣りのカゴにオキアミを詰めることで、小魚を一網打尽にできます。
ファミリーフィッシングにおいても欠かせない存在となりました。


第6章 オキアミのデメリットと限界

完璧に見えるオキアミですが、当然欠点もあります。

・冷凍品なので解凍に時間がかかる
・柔らかいため針持ちが悪い
・外道(フグや小魚)にもすぐ食べられる
・真夏は傷みやすい

こうした弱点があるため、エサ取りが多い時期は「練り餌」や「コーン」など他のエサと併用されることが多いです。


第7章 オキアミが広まった社会的背景

7-1 釣り人口の増加

1970〜80年代、日本ではレジャーブームが起こり、海釣り人口が急増しました。
初心者でも扱いやすいオキアミは、爆発的に需要が伸びたのです。

7-2 釣具店の発展

各地に釣具店が増え、冷凍庫でエサを大量に保管できる環境が整いました。
流通インフラの進化も普及の大きな要因です。


第8章 オキアミと釣り文化

今日では「釣りといえばオキアミ」といえるほど定着しました。
これは単なるエサ以上の存在であり、釣り文化そのものを支えてきた素材といえます。

また、環境問題の観点からもオキアミ漁は注目されており、持続可能な漁獲管理の必要性も議論されています。


まとめ

オキアミが釣りエサとして使われ出した理由は、一言でいえば**「魚が自然に食べ慣れており、大量に安価で流通できたから」**です。

・自然界での普遍的な餌である
・栄養価・視認性・匂いに優れる
・大量供給が可能で安価
・保存が効き、流通に適する
・レジャーブームに合致して需要が急増

こうした複合的な要因が重なり、オキアミは釣りエサの“絶対的スタンダード”になりました。


✅ 本記事は「なぜオキアミが釣りエサとして広まったのか?」を歴史・科学・流通・文化の視点から総合的に解説しました。
これから釣りを始める方も、ベテラン釣り師も、改めてその背景を知ることでオキアミのありがたみを感じていただければと思います。

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