タコを捕まえる方法といえば、釣りや網漁が思い浮かびますが、昔から日本各地の漁師に親しまれてきた伝統的な漁法が**「タコツボ漁」**です。
シンプルながらもタコの習性を巧みに利用した方法で、今も現役で使われています。
1. タコツボ漁とは?
タコツボ漁は、その名の通り壺(ツボ)や筒状の容器を海底に設置し、そこにタコを誘い込む漁法です。
古くは素焼きの土器が使われ、現在ではプラスチック製やコンクリート製のタコツボも一般的になっています。
この漁は、海底に沈めたタコツボを数日〜数週間後に引き上げるだけのシンプルな方法で、効率的かつ資源への負荷が少ない点が特徴です。
2. タコツボ漁の歴史
・起源は数百年前にさかのぼり、古代ギリシャでも似た漁法があったとされます。
・日本では瀬戸内海や紀伊半島沿岸、九州北部など、タコの好漁場で広く普及しました。
・江戸時代には漁師が素焼きの壺を自作し、船からロープで並べて沈めていました。
3. タコの習性を利用した漁法
タコは警戒心が強く、夜行性で日中は物陰や穴に隠れて休みます。
そのため、海底に置かれた暗くて狭い空間を好み、自然に入り込みます。
タコツボ漁は、この「隠れ家を求める習性」を利用した漁法です。
また、タコは縄張り意識が薄く、ツボに入れば長時間そこに留まるため、逃げにくいのも利点です。
4. タコツボ漁のやり方
(1)タコツボの設置
・ロープに複数のタコツボを等間隔で結び付け、海底に沈める
・設置場所は砂地や岩礁の境目が好条件
・潮の流れが緩やかなポイントが狙い目
(2)漁期と回収
・タコの活性が高まる夏〜秋が最盛期
・数日〜数週間後にツボを引き上げる
・引き上げ時にはタコが中でじっとしているため、生きたまま確保可能
5. タコツボの種類
| 材質 | 特徴 |
|---|---|
| 素焼き陶器 | 自然な質感でタコが入りやすいが、割れやすい |
| プラスチック製 | 軽量で耐久性が高く扱いやすい |
| コンクリート製 | 重く流されにくいが設置・回収に力が必要 |
6. タコツボ漁の魅力とメリット
・選択的漁法:狙ったタコだけを捕獲でき、他の生物への影響が少ない
・高鮮度:ツボの中で生きたまま捕獲できるため、鮮度が落ちにくい
・持続可能:資源に優しく、漁場の環境を荒らさない
・ロマン:漁師の知恵と海の生態が融合した伝統的技術
7. タコツボ漁で獲れるタコの種類
日本沿岸でよく獲れるのは以下の種類です。
・マダコ(食味抜群、刺身や煮付け向き)
・イイダコ(小型で煮物や唐揚げに最適)
・ミズダコ(大型で北海道などに多い)
8. まとめ
タコツボ漁は、タコの習性を知り尽くした漁師の知恵が詰まった、シンプルかつ持続可能な漁法です。
現代では漁業権や資源管理の観点から、個人が自由に行うのは難しい地域もありますが、その仕組みを知るだけでも海への理解が深まります。
タコを釣る・捕まえる方法の中でも、もっとも環境に優しい漁法のひとつと言えるでしょう。


