市場でよく見かけるカニといえば「ワタリガニ」。
青い脚にゴツゴツした甲羅、そして濃厚なカニ味噌と甘い身でファンも多いこのカニ。
でも実はこのワタリガニ、**本当の名前(標準和名)は「ガザミ」**ってご存じでしたか?
しかし、漁師も市場の人も、スーパーでも「ガザミ」と呼ぶ人はほとんどいません。
なぜ“本名”である標準和名が浸透しないのか?
そしてこのカニの特徴と魅力とは?
今回はそんな「ガザミ=ワタリガニ」にまつわる疑問を、釣り人・料理人・食通向けに徹底解説します!
●なぜ「ガザミ」と呼ばれないのか?
まず結論から言うと、“ワタリガニ”という呼び方の方が見た目や生態を的確に表していて、わかりやすいからです。
■ ガザミという名前の由来:
「ガザミ」は古語の「がさがさ動く」「かさかさと移動する」様子から来たとされますが、現代人にはなじみのない言葉。
また、他のカニ類との違いもパッとしない印象があるため、浸透しなかったのが理由の一つ。
■ 一方、「ワタリガニ」は…
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「海を渡る(=泳ぐ)」
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「横歩きだけでなく、ヒレ脚で泳げる」
という独特な特徴をそのまま名称にした非常にわかりやすい名前で、全国的に定着しています。
特に関西・関東・九州いずれでも「ワタリガニ」と呼ばれるのが一般的。
●ワタリガニ(ガザミ)の特徴
| 特徴項目 | 内容 |
|---|---|
| 甲羅幅 | 最大で20cmを超えることもある大型種 |
| 体色 | オスは青、メスは茶褐色で卵を持つことも |
| 泳ぎ | 後脚がヒレ状で泳ぐのが得意(泳ぐカニの代表) |
| 食味 | 甘くしっかりした身と濃厚なカニ味噌が特徴 |
| 季節 | 秋~冬にかけてのメス(内子・外子)は特に絶品 |
●調理法によって引き立つ“甘みとコク”
ワタリガニの魅力は、ズバリ“万能さ”。
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味噌汁:カニの出汁が出て極上の一杯に
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パスタやカレー:イタリアンやアジアンとも相性◎
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塩茹で:シンプルにして最強のうまさ
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煮付け:甘辛く煮るとご飯が止まらない
甲羅に詰まった味噌や、脚の付け根の“だまになった身”がとにかく旨い!
スーパーで売ってる時期は絶対に見逃せません。
●メスのワタリガニは“カニ界の女王”
秋になると産卵を控えたメスが多く水揚げされます。
この時期のワタリガニは「外子(そとこ)」と「内子(うちこ)」が絶品。
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外子:お腹に付いたプチプチ食感の卵
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内子:甲羅内部に詰まった濃厚なオレンジ色の卵巣
高級料亭では“内子の甲羅焼き”が名物になっているほど。
味・香り・栄養価、すべてがトップクラスです。
●ワタリガニの旬と見分け方
| 時期 | 特徴 |
|---|---|
| 春~夏 | オスが多く、身の入りが良い。塩茹でに最適 |
| 秋~冬 | メスが中心。内子・外子が詰まり、味噌も濃厚 |
■ 見分け方ポイント:
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オス:腹部のフンドシ(腹甲)が細く尖っている
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メス:腹部が丸く広く、卵を抱える準備ができている
●まとめ:名前は知らずとも、誰もが知る絶品カニ
✅この記事のまとめ
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「ワタリガニ」の標準和名は**“ガザミ”**
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呼ばれない理由は、「ワタリガニ」の方が直感的にわかりやすいから
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泳ぐカニの代表格で、身も味噌も甘くて濃厚
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秋~冬の内子・外子入りメスは特におすすめ
カニ好きなら絶対に見逃せない一品。
そして、「本当の名前はガザミだったんだよ」と言えば、ちょっとしたウンチク話としても使えますよ!

