はじめに:アオリイカだけがイカじゃない!
・刺身や寿司で「高級イカ」と言えばアオリイカが定番です。
・しかし、実際に食べた人からは「ケンサキイカ(アカイカ)の方が美味しい」という声も少なくありません。
実はケンサキイカ、知名度こそ低いものの、味に関しては一部の料理人から“本命”とされる存在。
しかも、市場価格はアオリイカより安い。
この「不思議な現象」について、科学的・流通的・漁業的な観点から掘り下げます。
① なぜケンサキイカは“アオリイカより美味しい”と評価されるのか?
▽理由①:アミノ酸含有量が多く、甘味が強い
・ケンサキイカは「グリシン」「アラニン」「グルタミン酸」などの甘味系アミノ酸を多く含みます。
・これは刺身にしたときに「じわっと広がる上品な甘み」として感じられます。
アオリイカは「ねっとり・もっちり」系で歯応え重視なのに対し、
ケンサキイカは「甘み・舌触り・後味の良さ」が抜群に高いのです。
▽理由②:筋肉繊維が細かく、舌触りが極上
・繊維が細かく、水分量も程よいため、刺身にしたときのなめらかさが段違い。
・まさに「とろけるイカ」とも言える味わい。
アオリイカが「歯で噛んで楽しむイカ」なら、
ケンサキイカは「舌で味わうイカ」です。
▽理由③:冷凍しても味が落ちにくい
・ケンサキイカはトレハロース(甘味成分)を多く含み、冷凍耐性が高いのも特徴。
・そのため、冷凍流通でも味が劣化しにくく、飲食店でも重宝されます。
アオリイカは冷凍すると食感が大きく損なわれるため、鮮度維持が難しく扱いが限定されがちです。
② それなのに…なぜケンサキイカは“知名度が低い”のか?
▽理由①:全国的な漁獲量が少なく、流通が限定的
・アオリイカは沿岸各地で釣りや定置網によって比較的安定して水揚げされます。
・一方、ケンサキイカは山陰~九州の一部で漁獲される限定的なイカ。
そのため、全国のスーパーや市場に並ぶ機会が少なく、**「知る人ぞ知る存在」**になっています。
▽理由②:見た目が地味で“高級感”が伝わりづらい
・アオリイカは白く透明で見た目も美しく、いかにも「高級食材」。
・ケンサキイカは茶色〜赤っぽい外見で、見た目のインパクトが弱い。
この「第一印象の差」が、消費者の印象やブランド化に影響を与えています。
▽理由③:釣り人・メディアの発信が弱い
・アオリイカはエギングブームなどにより“釣りターゲット”としての人気が非常に高い
・ケンサキイカは夜間の船釣りやイカメタルなど専門性が高く、初心者にはハードルが高い
その結果、YouTubeやSNSでの露出も少なく、一般認知が進んでいないのです。
③ それなのに“安い”のはなぜ?
▽理由①:ブランド戦略が弱く、価格競争に巻き込まれやすい
・アオリイカは全国で「ブランド化」が進み、価格が維持されやすい
・ケンサキイカは流通が限られ、ブランド訴求も弱いため、価格が安定しにくい
さらに、地元で大量に獲れたときには「地産地消」的に安価で流通する傾向があります。
▽理由②:漁期が短く、安定供給が難しい
・ケンサキイカは夏〜初秋が漁期のピーク。
・一気に水揚げされるため、供給過多で一時的に安価になることも。
逆に、アオリイカは春・秋・冬と長期間水揚げされ、安定供給が価格の安定につながっています。
▽理由③:飲食店で“仕入れやすい”穴場食材として扱われている
・「安くて美味しいイカ」として、寿司屋や居酒屋の隠れ人気ネタに。
・そのため、市場価格は“業者価格ベース”で維持され、一般消費者向けの高級化が進んでいないのです。
④ まとめ:味で選ぶなら、ケンサキイカが最強!
| 比較項目 | アオリイカ | ケンサキイカ(アカイカ) |
|---|---|---|
| 知名度 | 非常に高い | やや低め |
| 味の評価 | 高級感ある食感 | 甘み+とろける旨味 |
| 見た目 | 白く美しい | 赤茶色でやや地味 |
| 市場価格 | 高い(1杯500〜1000円) | 安い(1杯300〜600円) |
| 認知度 | メディア露出多数 | 釣り人と料理人に人気 |
ケンサキイカの魅力をもっと広めたい!
・このイカがもっと知られたら、「高くて美味しいイカ=アオリイカ」だけではなく、
「手頃で旨すぎるイカ=ケンサキイカ」という選択肢が広がります。
次に刺身用のイカを選ぶときは、ぜひこの“知る人ぞ知る逸品”を選んでみてください!


