【徹底解説】海のフナムシとは?正体・生態・人間との関係までわかりやすく解説!

海岸の岩場や堤防で、素早く動き回る黒い虫を見かけたことはありませんか?

それが「フナムシ(船虫)」です。

一見ゴキブリのようで不快に思う方も多いですが、実は海の生態系を支える大切な存在。

今回はそんな「フナムシ」について、釣り人・海好きの方・自然観察愛好家向けに詳しく解説します。


■ フナムシとは?正式な分類と基本情報

項目 内容
和名 フナムシ(船虫)
学名 Ligia exotica
分類 甲殻類(等脚目 フナムシ科)
外見 黒~灰色、楕円形の扁平な体、触角が長い
大きさ 約2~4cm
生息地 日本全国の海岸の岩場や波打ち際
主な活動時間 昼夜ともに活動。特に潮が引いた時間帯に活発

■ フナムシの見た目と動きの特徴

・体は扁平で地面を這うように移動
・脚は左右に7対(合計14本)あり、非常にすばしっこい
・触角が長く、常に周囲の振動や臭いを感知
・光や振動に敏感で、人が近づくと一斉に逃げる

ゴキブリに似た見た目から嫌われがちですが、実際は海のダンゴムシのような存在です。


■ フナムシの生態と役割

● 雑食性で“海の掃除屋”

フナムシは腐った海藻や魚の死骸、動物のフンなどを食べる「分解者」です。
つまり、自然界の掃除屋として生態系を維持する役割を担っています。

● 陸にも海にも対応した“半陸生”生物

完全な水中生活はできませんが、体の湿度維持のために常に海水のそばで生活しています。

呼吸は「気門」ではなく「鰓呼吸」なので、乾燥すると死んでしまいます。

● 敵から逃げる独特の行動

フナムシは危険を察知すると驚くほどの速さで岩陰に逃げ込みます。
そのスピードは人間の手でも捉えにくいほど。


■ フナムシは釣りに関係ある?

● 石鯛・黒鯛釣りの「撒き餌」に使う地域も

フナムシは「まき餌(撒き餌)」として使用する人もいます。
特に、イシダイ(石鯛)やクロダイ(黒鯛)などの底物を狙う際に、砕いたフナムシを撒くことで魚の警戒心を緩められることもあります。

● 釣りエリアでよく見かける=自然が豊か

フナムシが多い磯場や堤防は、プランクトンや小動物も豊富な傾向があります。
つまり、釣果が期待できる好条件の場所とも言えます。


■ フナムシは人間に害があるのか?

フナムシは人間に噛みついたり、刺したりすることはありません
また、病原菌を媒介することもありません。

ただし、以下の点で注意が必要です。

  • 食べ残しや魚の死骸が多い場所では大量に集まることがある

  • 動きが速く、びっくりして転倒事故に繋がることも

つまり「害はないが、不快と感じる人もいる」というのが実情です。


■ フナムシは水族館でも見られる?

意外にも、自然系の水族館ではフナムシの展示が行われていることもあります。
例えば:

  • 京都水族館:「磯の生き物」コーナー

  • 新江ノ島水族館:干潟の分解者として紹介

  • しまね海洋館アクアス:海岸の生態系における役割を学べる展示

子どもたちにとっては、「怖い」よりも「面白い!」となるチャンスかもしれません。


■ フナムシの仲間と見分け方

種類 特徴 生息環境
フナムシ 長い触角、黒い扁平な体 海の岩場や堤防
ダンゴムシ 丸くなれる、防御性が高い 陸地の落ち葉や庭
ワラジムシ 細長い体で丸くなれない 湿った地面、草むら

フナムシは海辺限定で見られることが最大の特徴です。


■ フナムシにまつわる豆知識

  • 「フナムシレース」が開催されたことがある(地域のユニークイベント)

  • アジアやハワイなど温暖地域に多く、日本全国に分布

  • 江戸時代には「薬効がある」と言われ乾燥させて漢方のように使われた記録も


■ まとめ:フナムシは不快ではなく、海の大切な一員!

フナムシはその見た目から敬遠されがちですが、実はとても役に立つ存在です。

・海岸の清掃役としての役割
・釣りのヒントになる生物指標
・磯の生態系に不可欠な一員

海に遊びに行った際は、フナムシに目を向けてみてください。
あなたの知らない「海の世界」が広がっているかもしれません。

 

タイトルとURLをコピーしました