海のプランクトンとは?種類・有害性・魚との関係をわかりやすく解説【釣り人必見】

・海のプランクトンと聞いて、どんなイメージを持ちますか?

・目に見えない小さな生き物?それとも赤潮の原因?

・実は釣り人にとっても非常に重要な存在であり、魚の命を支える「海の食物連鎖の出発点」と言っても過言ではありません。

今回は、釣りや海の自然に関心のある方に向けて、

・プランクトンの種類
・有害・無害の違い
・魚との関係性

などをわかりやすく解説します。


■ プランクトンとは?

・「プランクトン(Plankton)」は、ギリシャ語の「漂うもの」という意味から来ています。

・自ら泳いで移動する力がほとんどなく、潮や波に流される生き物の総称です。

・大きさは数ミクロンの微小なものから、数センチのクラゲまで様々。


■ プランクトンの大きな分類

プランクトンは、大きく分けて以下の2種類に分類されます。

① 植物プランクトン(Phytoplankton)

・光合成を行う微生物で、海の中の“植物”にあたります。

・代表的な種類には、珪藻(けいそう)、渦鞭毛藻(うずべんもうそう)などがあります。

・海水の中の栄養塩(リン・窒素)と太陽光をエネルギーにして増殖します。

・酸素を生み出し、地球全体の酸素の約50%以上を担っているとも言われます。

② 動物プランクトン(Zooplankton)

・植物プランクトンや他の微小生物を食べて生きる「動物」タイプのプランクトンです。

・例:カイアシ類(オキアミの仲間)、クラゲ、ホヤの幼生など

・魚の稚魚、小型の浮魚(イワシやサバの仔魚など)の主食にもなります。


■ プランクトンの種類はどれくらいある?

世界中の海には、数千~数万種のプランクトンがいるとされています。

・特に植物プランクトンは1,000種以上が確認されており、実際の総数は10,000種を超えるとも推定されています。

・動物プランクトンも非常に多様で、クラゲのような大型種から肉眼では見えない微小な種まで含まれます。


■ 有害プランクトンと無害プランクトンの違い

無害プランクトンとは?

・ほとんどのプランクトンは無害です。

・魚やエビ・カニの稚魚の餌になり、海洋生態系にとって不可欠な存在です。

・人間の生活に直接関係する場面は少ないものの、食物連鎖の基礎であるため、間接的に重要な役割を果たしています。

有害プランクトンとは?

・一部の植物プランクトンは、有毒成分を持っており、「赤潮(あかしお)」や「青潮(あおしお)」の原因になることがあります。

・魚のえらに付着して窒息死を招いたり、貝類に毒を蓄積させたりします。

・代表例:
アレキサンドリウム属(貝毒を引き起こす)
ノクチルカ属(赤潮原因)
カレニア属(魚に致死的)

・人間にも影響を与えることがあり、有毒二枚貝(ホタテ・アサリなど)を介して食中毒になることもあります。


■ すべての魚はプランクトンを食べているの?

結論から言うと、

すべての魚が直接食べているわけではありません

・ただし、ほぼすべての魚は、何らかの形でプランクトンの恩恵を受けています

● 直接食べる魚の例

・イワシ、シラス、サバ、アジの幼魚などは、動物プランクトンを主食とします。

・稚魚の段階ではほぼ全ての魚がプランクトンに依存しているため、プランクトンの量が少ないと稚魚が育ちません。

● 間接的に恩恵を受ける魚

・カンパチやブリ、ヒラメなどの肉食魚は、小魚を食べます。

・その小魚たちはプランクトンを食べて育っているため、間接的にプランクトンに依存している構造です。

・この流れを「食物連鎖(フードチェーン)」と呼びます。


■ プランクトンと釣りの関係

・海のプランクトンが多いエリアは、それを目当てに小魚が集まり、それを狙って大型魚が寄ってくるという流れが起こります。

・春~初夏にかけては植物プランクトンが爆発的に増え、それを追って動物プランクトン→イワシ→青物(ブリ、カンパチ)という流れが発生。

・つまり、「釣れる海」には、必ずと言っていいほど豊かなプランクトンの存在があるということになります。


■ 赤潮と釣りへの悪影響

・有害な植物プランクトンが大量発生すると赤潮になり、水が赤く濁る現象が起きます。

・この時、魚のえらが詰まって酸欠死したり、プランクトンが夜間に酸素を消費して水中の酸素量が著しく減ることもあります。

・釣果にも悪影響を及ぼし、「食わない」「魚がいない」状態になることも。

・一方で、赤潮の手前では小魚が大量に集まっており、大型魚が一時的に爆釣するケースもあります。


■ プランクトンを活かす釣り方

プランクトンパターンと呼ばれる釣り方があります。

・これは、特に小魚ではなく、プランクトンを捕食している魚を狙うというスタイル。

・アジングやメバリングのようなライトゲームでは、「マイクロベイト(極小ベイト)」に反応している魚をプランクトンと見なして攻略する戦略が使われます。

・極小ワームや、シルエットの小さいルアーが効果的。


■ まとめ|プランクトンを知れば釣りも変わる

・海のプランクトンは、見えないながらも生態系の中心的な役割を果たしています。

・有害なものもありますが、ほとんどは無害で、むしろ魚の命を支える重要な存在です。

・釣り人にとっても、プランクトンの動きや発生状況を意識することで、より高い釣果が期待できる場面も増えます。

・「プランクトンがいる海=魚が集まる海」と言っても過言ではありません。

海のプランクトンとは?種類・有害性・魚との関係をわかりやすく解説【釣り人必見】釣太郎

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