釣果を最高品質で持ち帰る秘訣！「海水氷」が釣りの常識を変える理由

皆さんは、せっかく釣った魚を、新鮮な状態で自宅に持ち帰りたいと思いませんか？

特に真夏の炎天下での釣りでは、魚の鮮度保持は喫緊の課題です。

一般的な氷では物足りないと感じているアングラーの皆さん、朗報です。

実は、ある「特別な氷」を使うことで、あなたの釣果の鮮度を格段に向上させられるのです。

その特別な氷こそが、「海水氷（かいすいごおり）」。

「え、海水でできた氷？」と驚かれた方もいるかもしれませんね。

今回は、この「海水氷」がなぜ釣りにおいて絶大な効果を発揮するのか、その秘密と、

手に入りにくい「海水氷」を釣太郎が自社製造する理由について、徹底解説します。

魚を冷やす上で、一般的な真水でできた氷よりも、海水でできた「海水氷」が優れているのには明確な理由があります。

魚は海水中で生きています。そのため、魚の体液の塩分濃度は海水に近い状態です。

真水（淡水）の氷を使用した場合、溶けた真水と魚体との間に浸透圧の差が生じ、魚の体液が真水側に流出しやすくなります。

これにより、魚の旨味成分が抜け出てしまったり、魚体が水っぽくなったりする原因となります。

一方、海水氷が溶けてできるのは海水です。

魚体とほぼ同じ塩分濃度の海水に浸すことで、浸透圧の差がほとんどなく、魚の細胞膜を傷つけずに鮮度を保つことができます。

これにより、身の締まりや旨味成分が損なわれにくく、釣れたての最高の状態を維持しやすくなります。

真水は0℃で凍り、溶け始めます。

しかし、海水は塩分を含むため、真水よりも低い温度（約-2℃前後）で凍結し、溶け始めます。

この性質が、魚の鮮度保持において非常に重要です。

真水の氷の場合、魚体に直接触れると、魚の体温が急激に下がりすぎ、部分的に凍結してしまう「凍結焼け」を引き起こす可能性があります。

凍結焼けは、魚の身質を劣化させ、パサつきの原因となります。

海水氷は、溶け始めの温度が真水よりも低く、かつ魚体が凍結する温度よりも高いため、魚体を「凍らせすぎない」絶妙な温度で冷却することができます。

これにより、魚の細胞が破壊されるのを防ぎ、しっとりとした食感を保ちやすくなります。

塩分には雑菌の繁殖を抑制する効果が期待できます。

海水氷が溶けた海水に魚を浸すことで、鮮度劣化の一因となる雑菌の繁殖を抑え、より衛生的に魚を持ち帰ることが可能になります。

これほどメリットの多い「海水氷」ですが、なぜか一般的な釣具店やスーパーなどでは、ほとんど見かけることがありません。

そこには、いくつかの理由があります。

製造コストと手間: 清潔な海水を安定的に確保し、それを凍らせるには、真水で氷を作るよりも手間とコストがかかります。特に大規模な生産となると、専用の設備投資も必要になります。
物流と保管の課題: 海水を扱うため、通常の氷とは異なる保管方法や輸送方法が求められる場合があります。また、塩分による機器の腐食なども考慮する必要があります。
需要の認識不足: 一般の消費者にとっては、真水と海水氷の違いが十分に認識されていないため、わざわざ海水氷を選ぶという意識が薄い可能性があります。そのため、小売店側も積極的に仕入れや製造に踏み切れないのが現状です。

これらの理由から、多くの店舗では真水の氷が主流となっています。

しかし、真の鮮度を求めるアングラーにとっては、この現状は非常に残念なことでした。