海には蚊がいない?それは誤り!実は存在する“海の蚊”の正体とは?

「海には蚊がいないから安心」
そう思っていませんか?

実はこの認識は誤りです。
正確には、海の近くや磯場、潮だまりに生息する蚊の仲間が存在します
特に釣り人や磯遊びをする人なら、一度は刺された経験があるかもしれません。
今回は「海にもいる蚊の正体」を徹底解説します。

海にいる“蚊”の正体はイソヌカカ(磯糠蚊)

・学名:Forcipomyia
・和名:イソヌカカ
・別名:潮だまり蚊、小型吸血昆虫、海辺のブヨとも呼ばれる

このイソヌカカが、いわゆる「海の蚊」の正体です。
一般的な家の中にいるヒトスジシマカやアカイエカとは種類が異なり、ヌカカ科という全く別のグループに属します。

イソヌカカの特徴

・大きさ:約1〜2mmと非常に小型
・体色:黒〜暗褐色
・活動時期:春〜秋(特に夏は活発)
・生息環境:潮だまり、磯場、砂浜の岩陰、湿った岩場
・刺すのはメスのみ(吸血のため)
・刺されると数日〜1週間ほど強烈な痒み

イソヌカカは、主に潮だまりや磯周辺で発生します。
潮溜まりの藻類や有機物を幼虫のエサにして成長します。
夜釣り・磯釣り・磯遊び・潮干狩りなど、海辺のアウトドア活動時に頻繁に遭遇します。

「海には蚊がいない」はなぜ誤解されるのか?

一般的に蚊=淡水のイメージが強いためです。

・ヒトスジシマカ、アカイエカ ⇒ 主に淡水域の水たまりや池で繁殖
・イソヌカカ ⇒ 海辺の潮だまり・湿地帯に生息

淡水性の蚊は確かに海水では繁殖できません。
しかしヌカカ類は、塩分を含んだ潮溜まりでも問題なく繁殖可能なのです。
この違いを知らない人が多く、「海には蚊がいない」と誤解してしまうのです。

釣り人が被害に遭いやすい理由

・海辺に長時間滞在する
・朝夕の薄暗い時間帯が多い
・夏場の高温多湿で活動が活発化
・風が弱いと大量発生しやすい

特に夜釣りの磯釣り・アオリイカ狙いの地磯釣行などで被害報告が多発します。
イソヌカカは非常に小さく、蚊取り線香もあまり効きません。

イソヌカカに刺されるとどうなる?

・刺された直後はあまり痛みがない
・数時間後〜翌日から猛烈な痒み
・腫れや赤み、熱感を伴う場合もある
・症状は5〜7日間続くことが多い
・人によっては水ぶくれや化膿に発展する

一般的な蚊よりも遥かにしつこい痒みが特徴です。
掻き壊しによる二次感染にも注意が必要です。

海釣り・磯遊びでのイソヌカカ対策法

対策 内容
長袖・長ズボン 肌の露出を減らす
虫除けスプレー DEET成分高配合が有効
風通しの良い場所 風があれば活動が鈍る
早朝・夕方の時間を避ける 活動ピークを避ける
患部冷却・抗ヒスタミン剤 刺された後のケア

市販の虫除けスプレーはイソヌカカにも一定の効果がありますが、完全防御は難しいのが実情です。
物理的防御(服装)と風選びが最も効果的です。

イソヌカカは全国どこでもいる?

・太平洋側の南紀・伊豆・三浦半島・房総半島
・日本海側の若狭湾〜能登半島
・瀬戸内海沿岸
・九州・四国の沿岸部
・沖縄諸島

全国各地の磯場・潮だまり周辺で確認されています。
特に和歌山南紀地方では夏場に刺される釣り人が非常に多いことで知られます。

海にも蚊はいる!まとめ

項目 内容
正体 イソヌカカ(ヌカカ科の吸血昆虫)
大きさ 約1〜2mm
季節 春〜秋(夏がピーク)
生息場所 潮だまり・磯場・海岸線
症状 強烈な痒み・腫れ・長引く炎症
主な被害者 磯釣り・夜釣り・潮干狩り・海遊びの人

結論

「海には蚊がいない」という認識は間違いです。

淡水性の蚊はいなくとも、海岸専用の吸血昆虫イソヌカカが確実に存在しています。

特に釣り人にとっては避けて通れない“夏の天敵”ともいえます。

海辺レジャーの際は、ぜひイソヌカカ対策を忘れずに。

「海には蚊がいない」という認識は間違いです。淡水性の蚊はいなくとも、海岸専用の吸血昆虫イソヌカカが確実に存在しています。釣太郎

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