夜釣りで蚊に刺された経験は誰にでもあるでしょう。
しかし、「異常に痒い」「数日どころか一週間以上も痒みが続く」という経験、ありませんか?
それは、もしかしたら「普通の蚊」ではない、別の厄介な虫に刺されている可能性が高いです。
今回は、夜釣りの際に釣り人を襲う、その「異常な痒み」をもたらす犯人の正体を徹底解説し、
その驚くべき生態、そして二度と刺されないための最強の対策と、もし刺されてしまった場合の対処法をお届けします。
夜釣りの異常な痒み、その正体は「ヌカカ」か「ブヨ」!?
夜釣りで経験する、尋常ではない痒みと長引く症状。
その犯人は、一般的な「蚊」ではなく、主に以下の2種類の吸血性昆虫である可能性が高いです。
1. 釣り人の天敵!「ヌカカ」(糠蚊)
ヌカカは夜釣りでも注意すべき存在です。
- 特徴: 体長1~2mmと非常に小さく、糠粒のように見えるため「糠蚊」と呼ばれます。小さすぎて刺されても気づきにくいのが特徴です。
- 痒みと症状: 刺された直後は痒みが少ないですが、数時間後から翌日には猛烈な痒みと腫れが生じ、水ぶくれになることもあります。痒みは1週間以上、長い場合は1ヶ月以上続くこともあります。
- 生息場所: 海岸沿いの潮だまり、磯場、泥、湿った落ち葉やコケなどに多く生息しています。内陸部でも水辺に発生します。
- 活動時間: 朝方(7~9時頃)と夕方(16~18時頃)に活動が活発になることが多いですが、場所によっては夜間にも活動します。風に弱いため、風のない夜間は特に注意が必要です。
- 代表的な種類:
- イソヌカカ: 海岸沿いの磯や堤防に多く、釣り人が最も遭遇しやすい種類です。
- トクナガクロヌカカ: 本州各地の海岸に生息。
- 山間部や水田地帯にも様々な種類のヌカカが生息します。
2. 清流の刺客!「ブヨ」(ブユ、ブト)
夜釣り、特に渓流や川沿いの釣りで注意したいのがブヨです。
- 特徴: 体長2~5mmほどのハエのような見た目の吸血昆虫です。ヌカカよりは大きいですが、それでも小さい部類に入ります。蚊のように刺すのではなく、皮膚を噛み切って吸血するため、刺された箇所に小さな赤い出血点(点状出血)が残ることが特徴です。
- 痒みと症状: 刺された直後はチクッとした痛みを感じることがありますが、その後は猛烈な痒みと腫れが数日~1週間程度続きます。ひどい場合は、患部がパンパンに腫れ上がったり、発熱や倦怠感を伴うこともあります。掻きむしると「結節性痒疹」というしこりになり、数年間痒みが続く場合もあります。
- 生息場所: 渓流や山間部のきれいな水辺、森林、草むらなどに多く生息しています。
- 活動時間: 主に朝方や夕方に活動しますが、日中でも薄暗い場所や曇りの日には活動します。
- 夜間の活動: 夜間は活動が鈍るとされますが、光に集まる習性があるため、夜釣りの際にランタンやヘッドライトの光に誘引されて寄ってくることがあります。
一般的な「蚊」(イエカ、ヤブカなど)との違い
普通の蚊に刺された場合も痒みはありますが、ヌカカやブヨに比べて以下のような違いがあります。
- 痒みの強さ: ヌカカやブヨの痒みは、一般的な蚊の痒みよりも格段に強く、耐えがたいほどです。
- 痒みの持続期間: 一般的な蚊の痒みは数時間~1日程度で治まることが多いですが、ヌカカやブヨの痒みは数日~数週間、ひどい場合は数ヶ月以上続くことがあります。
- 腫れ: ヌカカやブヨに刺された場合は、蚊に比べて腫れが大きく、水ぶくれになることもあります。ブヨの場合は出血点が見られることもあります。
- 大きさ: ヌカカは蚊よりもはるかに小さく、ブヨも蚊より少し小さいか同程度ですが、見た目が異なります。
夜釣りの「異常な痒み」を避ける!最強の対策
ヌカカやブヨの被害を避けるためには、徹底した予防策が不可欠です。
1. 徹底した肌の露出対策
これが最も重要です。彼らはわずかな隙間からも侵入してきます。
- 長袖・長ズボン: 薄手の速乾性のある素材で、肌を完全に覆うものを選びましょう。袖口や裾にはゴムが入っているものがおすすめです。
- 手袋・帽子: 顔や首、手の甲も刺されやすい部位です。つばの広い帽子をかぶり、手袋を着用しましょう。ネックゲイターやフェイスカバーも有効です。
- 靴下・長靴: 足首や足の甲も狙われやすいです。厚手の靴下を履き、ズボンの裾を靴下の中に入れる、または長靴を履くなどして隙間をなくしましょう。ストッキングの上からでも吸血されることがあるため、厚手の生地が望ましいです。
- 色の選択: 白や淡い色の服装は虫が寄り付きにくいとされています。黒っぽい服装は避けるのが賢明です。
2. 強力な虫除けスプレーの使用
市販の虫除けスプレーでも効果はありますが、成分と濃度にこだわりましょう。
- ディート(DEET)高濃度配合: ヌカカ、ブヨ両方に効果が高いとされるディートは、30%程度の高濃度で配合されているものがおすすめです。「サラテクトリッチリッチ30」などが代表的です。
- イカリジン配合: 肌への刺激が少なく、子供にも使用できるイカリジンも有効です。こちらも高濃度(15%程度)の製品を選びましょう。「天使のスキンベープミスト プレミアム」などが有名です。
- ハッカ油スプレー: ヌカカやブヨはハッカの香りを嫌う傾向があります。市販のハッカ油スプレーや、ハッカ油をエタノールと水で希釈して自作スプレーを作るのも効果的です。服の上からや、釣り具にも吹き付けておくと良いでしょう。
- 地面・周囲に撒くタイプ: キャンプや夜釣りでは、テントの周囲や足元に広範囲に散布するタイプの虫除け(メトフルトリンなどのピレスロイド系殺虫成分配合)も効果的です。
【使用のポイント】
- こまめに塗り直す: 汗で流れ落ちやすいため、数時間おきにこまめに塗り直すことが重要です。
- 服の上からも: 服の繊維の隙間から入り込むこともあるため、肌だけでなく服の上からもスプレーしましょう。
3. 携帯用蚊取り器・蚊取り線香・電気ショックラケットの活用
- 携帯用蚊取り器: USB給電式や電池式の携帯型蚊取り器は、手軽に持ち運べ、自分の周囲に虫が寄りにくくする効果が期待できます。
- 蚊取り線香: 煙で広範囲に虫を寄せ付けない効果があります。複数箇所に設置するとより効果的です。
- 電気ショックラケット: 周囲を飛ぶ虫を駆除するのに役立ちます。
4. 光源の工夫とランタンの配置
夜釣りのランタンは、虫を引き寄せる原因になります。
- 暖色系のLEDライト: 白い光に比べて、暖色系の光は虫が集まりにくい傾向があります。
- 虫を寄せ付けにくいランタン: 市販のランタンの中には、紫外線領域の光をカットして虫が寄りにくい設計になっているものもあります。
- ランタンの配置: 釣りをする場所から少し離れた場所に、明るいランタンを設置し、自分は最小限の光量(ヘッドライトなど)にする工夫も有効です。虫を誘引する「おとり」として利用できます。
5. 釣り場選びと時間帯の考慮
- 風通しの良い場所: ヌカカやブヨは風に弱いため、風通しの良い場所を選ぶことで被害を軽減できます。
- 水辺からの距離: できるだけ水辺から離れた場所で釣るのが理想的です。
- 活動ピークを避ける: 可能であれば、ヌカカやブヨの活動が活発な朝夕のマヅメ時や、彼らの繁殖が活発な時期(梅雨明け~9月頃)を避けることも検討しましょう。
もし刺されてしまったら?正しい対処法
どんなに予防しても刺されてしまうことはあります。いかに症状を悪化させないかが重要です。
1. 絶対に掻かない!
猛烈な痒みですが、掻きむしると症状が悪化し、治りが遅くなったり、痕が残ったり、最悪の場合「結節性痒疹」という慢性的な皮膚疾患になる可能性があります。
2. 毒を洗い流す・吸い出す
刺された直後であれば、石鹸と流水で患部をよく洗い流しましょう。
ブヨに刺された場合は、ポイズンリムーバーで毒を吸い出すと効果的です。
ただし、ヌカカは小さすぎて刺されたことに気づかないことが多いため、この方法が難しい場合もあります。
3. 温熱療法(45℃以上のお湯で温める)
ヌカカやブヨの毒は熱に弱いと言われています。
45℃以上のお湯(やけどに注意!)に5分以上患部をつける温熱療法が、痒みを和らげるのに有効です。
温かいシャワーを当てるだけでも良いでしょう。
4. 市販薬の塗布
以下の成分が配合された市販薬を塗布しましょう。
- ステロイド成分配合の抗炎症薬: 炎症と痒みを抑える効果が高いです。「ムヒアルファEX」「ウナコーワエースG」などが代表的です。
- 抗ヒスタミン成分配合の痒み止め: 痒みを抑える効果があります。「ムヒS」「キンカン」など。
- ブヨに刺された場合は、市販の痒み止めが効かないことも多いため、ステロイド外用薬が推奨されます。
5. 冷やす(応急処置)
一時的に痒みを抑えたい場合は、患部を冷やすのも有効です。保冷剤や濡れタオルなどで冷やしましょう。
6. 症状がひどい場合は医療機関を受診
痒みが収まらない、腫れがひどい、熱がある、広範囲に症状が出ているなどの場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
適切な処置や処方薬によって、症状の悪化を防ぎ、早く治すことができます。
特にブヨに刺された場合は、病院での治療が必要となるケースが多いです。
まとめ:夜釣りの「異常な痒み」は放置厳禁!
夜釣りで経験する異常な痒みは、決して「普通の蚊」の仕業ではありません。
ヌカカやブヨといった、より強力な毒性を持つ虫に刺されている可能性が高いです。
【夜釣りの「異常な痒み」対策3つの鉄則】
- 肌を露出させない「完璧な服装」が最優先!
- 強力な虫除けスプレーを「こまめに」「全身に」使用する!
- 刺されてしまったら「掻かずに」「すぐに」「適切な処置」を行う!
これらの対策を徹底することで、夜釣りの大敵から身を守り、快適で楽しいフィッシングライフを送ることができます。


