かつて日本では、ごく普通に**どじょう(泥鰌)**を食べていました。
どじょう鍋、柳川鍋、唐揚げ、蒲焼き……。
しかし近年では、食卓や料理店で見かけることが少なくなりました。
今回は「なぜどじょうは昔の食べ物になりつつあるのか?」を、食文化と環境の両面から解説していきます。
■ どじょうは日本の庶民食だった
どじょうは、日本全国の川・用水路・田んぼ・沼などに普通に生息していた淡水魚です。
・栄養価が高く、特にカルシウムやビタミンDが豊富
・内臓ごと食べられる「まるごと食材」
・体力回復食、精の付く食べ物として重宝された
江戸時代の料理本や浮世絵にもたびたび登場し、
庶民の滋養強壮食の定番だったのです。
■ 昔は手軽に獲れた「身近なタンパク源」
・用水路や田んぼに網を入れれば簡単に獲れた
・釣りやすく、子供の遊びとしても人気だった
・季節問わず獲れる安定供給食材だった
そのため、わざわざ買うというより自家捕獲で食べる家庭も多かったのです。
■ 近年食べなくなった理由① 環境の変化
最も大きな原因は生息環境の激変です。
・農薬の使用増加
・河川改修・護岸工事・用水路のコンクリート化
・田んぼの減少
・都市化・宅地開発
こうした要因でどじょうが激減。
野生のどじょうを獲ること自体が難しくなったのです。
※農水省データでも1960年代以降、どじょうの生息数は急減しています。
■ 近年食べなくなった理由② 価値観の変化
・小骨が多く、現代の嗜好に合わなくなった
・養殖魚・輸入魚の普及で選択肢が増えた
・「泥臭い」「グロテスク」というイメージの定着
・食べる機会が減り、馴染みがなくなった
・若年層は「食べたことがない人」が多数派
結果としてどじょう=昔の人が食べた料理という認識が強まっていきました。
■ 近年食べなくなった理由③ 養殖も減少
一時は養殖も盛んでしたが、
・コスト高騰
・需要の低迷
・後継者不足
などの理由で養殖業者も減少。
国産どじょうの流通量は年々縮小しています。
現在、飲食店で使われるどじょうの多くは中国産輸入物が中心です。
国産どじょうは高級食材化しつつあります。
■ どじょう料理はどんなものがあった?
・柳川鍋(卵とじ鍋)
・どじょう鍋(丸煮)
・どじょうの蒲焼き
・唐揚げ
・甘露煮
いずれもまるごと食べる栄養満点料理でした。
江戸時代の庶民は、精をつける食べ物として愛用しました。
■ まとめ:どじょうは「昔の味」になりつつある
・かつては庶民の重要なタンパク源だった
・環境悪化で激減
・現代の食文化から徐々に消えつつある
・今では一部の専門店や高級料理で細々と残る
・食文化の貴重な遺産とも言える


