磯や海岸を歩いていると、かつては一面に広がっていたワカメや昆布などの海藻類が、
「最近少なくなった気がする」と感じたことはありませんか?
それは気のせいではありません。
日本近海では**海藻の減少(磯焼け)**が深刻な問題となっており、
その影響は魚の「波音食(はおんしょく)=魚が食べる餌」にまで及んでいます。
この記事では、
・海藻がなぜ減っているのか?
・その現象が魚の食性にどう影響しているのか?
・私たち釣り人や消費者に何ができるのか?
を、わかりやすく・データに基づいて解説します。
1.そもそも「海藻」とは?その重要性とは?
海藻とは、光合成を行い、海中に酸素や栄養を供給する生物です。
特に代表的な海藻には以下のものがあります:
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ワカメ(わかめ):主に春に成長し、魚の隠れ家や産卵場となる
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昆布(こんぶ):冬〜初夏にかけて繁茂し、餌場・ダシ成分源としても重宝
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アラメ・カジメ・ホンダワラ類:海底を覆い、**「藻場」**を形成する重要種
これらは「海の森」とも呼ばれ、魚・エビ・貝など多くの海洋生物の命を支える基盤なのです。
2.なぜ海藻が減っているのか?原因は複合的
近年、全国的に**「磯焼け」**という現象が進行中です。
これは、海藻が消失し、岩がむき出しになってしまう状態を指します。
主な原因:
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 地球温暖化 | 海水温の上昇により、海藻が枯れやすくなる |
| ウニやアイゴなどの食害 | 海藻を食べつくす生物が増加 |
| 栄養塩の減少 | 山からのミネラルが減少し、海藻の育成環境が悪化 |
| 沿岸開発・護岸工事 | 藻場が形成されにくくなる構造物の増加 |
これにより、ワカメや昆布が本来繁茂すべき場所でも消失してしまっているのが現状です。
3.魚の食性への影響とは?
海藻がなくなると、そこに生息する小型甲殻類・貝類・微生物も激減します。
つまり、それらを餌としていた多くの魚たちの「波音食」が失われるのです。
具体的な影響:
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メバル・アイナメ・カサゴなどの根魚:
→ 藻場の小動物を捕食できなくなり、生息数が減少傾向。 -
アオリイカ・イシダイ:
→ 産卵場所がなくなることで繁殖数が減少。 -
ブリ・カンパチなどの回遊魚:
→ 沿岸での捕食効率が低下、回遊ルートの変化も。
4.釣果にも直結!釣り人への影響
海藻が少ない釣り場では、魚の付き場がなくなるため、釣果にも直接影響します。
・春のアオリイカの数が極端に減る
・メバルやカサゴの釣果が年々落ちている
・海藻が少ないと、ベイトフィッシュ(小魚)も寄らない
このように、海藻の消失は釣り場の価値をも損ねる重大な問題なのです。
5.では、どうすればいい?私たちにできること
◆磯や藻場を荒らさない行動を!
・釣り場で根こそぎ海藻を引きちぎらない
・磯に落ちている海藻を持ち帰って乾燥させる行為は規制対象の場合も
◆ウニの駆除や藻場再生への協力
・各地で**「藻場再生プロジェクト」**が進行中
・釣り人ボランティアとして参加できる場合もあり
◆食べることで守る「地元海藻の消費」も大切
・地元産ワカメ・アカモク・カジメを積極的に購入・消費
・海藻漁業者の支援にもつながります
6.まとめ|海藻の減少は、魚の未来にも直結している
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 減少の原因 | 温暖化・食害・栄養不足・開発など |
| 魚への影響 | 餌不足・産卵障害・生息地喪失 |
| 釣果への影響 | 特に根魚・アオリイカ・回遊魚に顕著 |
| 対策 | 海藻を守る行動・地元産海藻の消費・再生活動への参加 |
海藻があるからこそ魚が育ち、魚がいるからこそ釣りが楽しい。
海藻は「海の基盤」そのもの。
今後の海と釣りを守るためにも、
一人ひとりがこの現状を知り、小さな行動を始めていくことが大切です。


