釣りや磯遊びをしていると、思わぬ“危険生物”に出会うことがあります。
その代表格が「ゴンズイ」。
黒と黄色の縞模様が特徴で、一見地味な小魚に見えますが、触れると地獄を見ると言われるほどの激痛をもたらす毒を持っています。
この記事では、
・ゴンズイ毒の成分とメカニズム
・なぜ「心臓が飛び出るほど痛い」と表現されるのか
・応急処置と予防法
を科学的な根拠を交えて詳しく解説します。
■ゴンズイとは?簡単な生態と特徴
・分類:ナマズ目ゴンズイ科
・分布:本州〜沖縄の沿岸、内湾や磯など
・習性:群れで行動し、夜行性。昼間は岩陰に潜む
・危険部位:背ビレ・胸ビレの**鋭いトゲ(毒棘)**に毒腺あり
特に「ゴンズイ玉」と呼ばれる群れで泳ぐ姿が印象的ですが、素手で触ると非常に危険です。
■あの激痛の正体は?ゴンズイ毒の化学成分
ゴンズイの毒は、主に以下の成分で構成されています。
●タンパク毒(protein toxin)
・ヒスタミン様物質:血管を拡張し、炎症と激しい痛みを引き起こす
・セロトニン:神経を刺激し、強烈な神経痛を誘発
・酵素類(ホスホリパーゼなど):細胞膜を破壊して痛みと腫れを拡大
このような複合毒により、刺された瞬間から猛烈な痛みを感じるのです。
■なぜ「心臓が飛び出るほど痛い」と言われるのか?
釣り人や海の作業者の間では、以下のような症状が多く語られます。
●激痛とショック症状のメカニズム
・瞬間的に交感神経が過剰反応し、心拍数が急上昇
・神経毒による痛覚の暴走で、体がパニック状態に
・血管が拡張・炎症し、局所の腫れと赤みが急速に進行
その結果、
・「脳震盪のように目が回る」
・「痛すぎて涙が止まらない」
・「息が詰まりそうなほどの苦しさ」
といった症状につながるのです。
とくに指先など末端部分を刺された場合、神経が集中しているため、より強烈な痛みになります。
■ゴンズイに刺されたときの正しい対処法
刺されたらパニックになる前に、以下の応急処置を素早く行いましょう。
①熱湯に患部を浸ける(40〜45℃のお湯で10〜30分)
・ゴンズイ毒は熱変性するタンパク毒が主体
・42℃以上で毒成分が失活すると言われています
・やけどに注意しながら、できるだけ早く行うことが重要
②毒棘が残っていないか確認し、消毒と安静
・トゲが皮膚内に残っていると、炎症が長引く恐れあり
・無理に抜かず、必要であれば医療機関へ
③医療機関を受診する
・アレルギー体質の方はアナフィラキシーの危険もあり
・腫れが引かない、痛みが強い場合は必ず病院へ
■ゴンズイ被害を防ぐために|釣り人・磯遊びの注意点
●釣り場での予防法
・夜釣りや岩場ではゴンズイ玉に注意
・釣れた魚は素手で触らず、フィッシュグリップやタオルを活用
・背ビレ・胸ビレを確認してから処理する
●子どもや初心者にも注意喚起を
・見た目は地味でも、触ると“地獄”を見る魚
・小学生や家族連れの磯遊びでは特に注意が必要です
■まとめ|「小魚」とあなどるなかれ、ゴンズイは“毒針魚”の王様
ゴンズイは見た目は普通の小魚ですが、
その背ビレ・胸ビレに釣り人を悶絶させる毒針を持っています。
その痛みは科学的にも、
・神経毒
・炎症誘発物質
・血管拡張物質
が複合的に働いているためで、まさに「心臓が飛び出るほどの痛み」という表現がぴったり。
安全に釣りや磯遊びを楽しむためにも、事前の知識と慎重な行動が何よりの対策となります。
▼釣り人向けの補足|外道扱いされるが食用にもなる?
・刺されなければ、ゴンズイは実は味は良い
・味噌汁や唐揚げにして美味との声も
・ただし棘の処理は必須で、リスクを理解してから調理を


