● はじめに
アオリイカやコウイカを釣ったとき、よく見る“あの黒い墨”。
海で「ぶしゅっ!」と飛び出すあのイカ墨、実は昔、書道に使う“墨”の原料として使われていたって知っていましたか?
・イカ墨は本当に書道に使われていたのか?
・それはいつ頃なのか?
・なぜ使われなくなったのか?
を、釣り人にもわかりやすく解説します。
● 結論:イカ墨は、昔「墨の原料」として使われていた!
はい、事実としてイカ墨(烏賊墨)は書道の墨の材料の一つとして使われた時代がありました。
とくに古代・中世のヨーロッパや中国での文献にも、「烏賊墨(うぞくぼく)」という名前で登場します。
● 日本での使用時期はいつごろ?
✅ 平安〜鎌倉時代の一部で使用例
日本でも、平安時代〜鎌倉時代にかけて**「イカ墨を用いた書墨」があった**という記録が残っています。
当時は墨の原料となる煤(すす)や油が貴重であり、天然素材であるイカ墨は代用として使われることがありました。
ただし、主に使われたのはコウイカやモンゴウイカの墨です。
この理由は後述しますが、墨袋が大きく、濃度が高いためです。
● なぜイカ墨が「墨」として使われた?
✅ 理由①:黒色顔料として優秀だった
イカ墨に含まれる主成分「メラニン色素」は、非常に発色がよく、水にも溶けやすい天然黒色顔料です。
乾燥させ、ニカワなどの天然接着剤と練り合わせることで、墨として筆書きに使うことが可能でした。
✅ 理由②:防腐・抗菌性もある
イカ墨は古くから「薬効がある」とされ、漢方や医療にも用いられていた記録があります。
そのため、書簡の保存性を高める効果もあると信じられていました。
✅ 理由③:材料として手に入りやすかった
当時の漁業では、イカ漁が盛んだった地域ではイカ墨が大量に取れ、墨の材料として利用価値があったのです。
特に保存が効く「乾燥イカ墨」が筆記用途に重宝されました。
● しかし現在は「書道用墨」として使われない理由
❌ 理由①:色が時間とともに褪せる
イカ墨は発色は良いものの、光や空気に長時間さらされると色が退色する傾向があります。
そのため、長期保存の文書や作品には不向きとされました。
❌ 理由②:煤(すす)墨の方が安定して濃い
現在主流の書道用墨は、松煙墨や油煙墨と呼ばれる「煤(すす)」を材料に作られます。
こちらの方が、発色の持続性や濃淡表現、保存性に優れているため、イカ墨は使われなくなりました。
● 釣り人としての豆知識:コウイカの墨は濃い!
アオリイカよりも、モンゴウイカやコウイカの墨は粘度が高く濃い黒色です。
イカ墨パスタなどの料理に使われるのも、このコウイカ系が主流。
もし釣ったイカを捌いたときに、**「濃い黒い墨袋がある=モンゴウイカ系」**と覚えておくと便利です。
● まとめ
・イカ墨は昔、書道や筆記に使われた「天然黒色顔料」だった
・特に平安〜鎌倉時代に一部使用例がある
・しかし現在は煤墨に取って代わられている
・釣り人にとっては、コウイカ系の墨は濃く、価値があることも豆知識として覚えておきたいところ


