「和歌山県の各沿岸(串本・すさみ・白浜・田辺・みなべ)で、魚の体液の塩分濃度や浸透圧に違い
があるのか?」という点について、科学的・漁業的視点から解説します。
✅【結論】
塩分濃度・浸透圧の違いは、
理論上ごくわずかに生じることがあるが、魚の体液濃度にはほぼ影響しないレベルです。
つまり、各地の魚の浸透圧調整能力に有意な差は見られません。
🧂【1】海水の塩分濃度:場所によって変化するか?
結論から言えば――
→ **和歌山県内の沿岸での塩分濃度の違いは、ごくわずか(約0.1~0.3%以内)**です。
🌊各エリアの特徴:
| 地域 | 特徴 | 塩分傾向 |
|---|---|---|
| 串本 | 黒潮直撃エリア。外洋性強い | 高め(34~35‰) |
| すさみ~白浜 | 外洋と湾が混ざる | 安定的(33~34‰) |
| 田辺~みなべ | 河川が多く湾内がやや閉鎖的 | やや低めの傾向(32~33‰) |
※1‰(パーミル)=0.1%の意味
🐟【2】魚の体液の塩分濃度と浸透圧調整
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海水魚の体液塩分濃度:約 1.0%前後
→ 海水(約3.4%)より低いため、水分を失いやすい構造
→ 常に海水から水分を得て、余分な塩を排出する仕組みを持つ(エラ・腎臓)
✅ 魚は体内の浸透圧を一定に保つ調整能力(浸透圧調節能)を持っているため、
→ 周囲の海水の塩分が少々変化しても、体液の塩分濃度は大きく変化しない
🧬【3】ただし、「汽水域」では差が出ることも
例えば田辺湾・日高川・日置川の河口などで淡水が入り込む場所では、
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塩分濃度が一時的に **20‰以下(約2.0%未満)**になることも
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このような汽水環境では、**浸透圧調節が得意な魚(ボラ、クロダイなど)**が優位に
🌊しかし串本やすさみなど外洋性の強い場所では、そうした影響はほとんどない
✅まとめ|地域による違いは?
| 項目 | 串本 | すさみ | 白浜 | 田辺 | みなべ |
|---|---|---|---|---|---|
| 海水塩分濃度 | 高め(黒潮直撃) | 安定 | やや安定 | やや低め(河川影響) | やや低め |
| 魚の体液濃度 | 約1.0%前後(どこも同じ) | ||||
| 浸透圧調節 | どの地域の魚も一定能力あり | ||||
| 差が出る場面 | 汽水域 or 淡水流入時のみわずかに |
📌補足|釣り人が気をつけるべき点
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**「魚を真水で洗うと身が白くなる・劣化する」**のは、
→ 浸透圧破壊によって水分が細胞外に出てしまうから -
釣った魚は**その場の海水と“同じ塩分環境”で冷やす(=海水氷)**がベスト!


