・筋肉質で硬くなる
魚が大きくなるということは、それだけ長く生きて運動してきたということです。
その間に筋肉が発達し、身が締まって弾力が増します。
これが一部の魚では「コリコリして美味しい」と評価されることもありますが、多くの魚種では「硬くて食べづらい」「繊維っぽい」と感じられる原因になります。
特に焼き魚や刺身では、やわらかくジューシーな食感が好まれるため、大型個体は不利になります。
・脂が落ちる/乗らなくなる
若くて成長中の魚は、体に栄養をため込みやすく、脂もよく乗っています。
しかし、大型になって年を取ると、代謝が落ち、脂の量が減る傾向があります。
また、産卵に備えて脂を使い果たす個体も多く、味が落ちてしまうのです。
ブリやアジなど、「脂が命」の魚にとっては特に致命的です。
・内臓臭・生臭さが出やすくなる
年を重ねた魚は内臓が発達し、臭みが出やすくなります。
また、血合いも多くなり、処理をしっかりしないと血の臭いが残りがちです。
このような「臭み」は、鮮度の良し悪し以前にサイズの大きさそのものに起因している場合もあります。
・成長による味の変化(繊維質・旨みのバランス)
身が大きくなりすぎると、繊維が太くなり、火を通してもホロっと崩れにくくなります。
また、旨み成分(イノシン酸など)のバランスも崩れ、単調な味に感じることも。
特に「煮つけ」や「塩焼き」など、味つけがシンプルな調理法では、その差が顕著になります。
・調理しにくくなる
単純に「でかすぎて包丁が入らない」「火が通りにくい」「味がしみ込みにくい」といった、調理上の扱いにくさもあります。
また、骨が太くなって食べづらかったり、部位ごとの味にムラが出たりするため、一般家庭では敬遠されがちです。
・例外もある(例:クエ、カンパチ、マグロなど)
もちろん、すべての魚に当てはまるわけではありません。
むしろ「大型=高級」とされる魚もいます。
たとえば以下のような例です:
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クエ(ハタ類):大型になるほど脂がのってゼラチン質が増し、鍋に最高。
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カンパチやブリ:脂の乗り次第では10kg超でも絶品。
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マグロ:大型になることで赤身・中トロ・大トロのバランスが良くなります。
つまり、魚種によって「大きいほど美味しい」も「小さいほど美味しい」も両方あるのです。
まとめ
大きい魚が美味しくなくなる理由は以下の通りです:
・筋肉質で硬くなる
・脂が落ちる
・臭みが出やすくなる
・繊維質が増え、旨みが減る
・調理が難しくなる
ただし魚種によっては、むしろ大型が美味とされる場合もあります。
一概に「大きい=まずい」とは言えないですが、「旨み・食感・調理性」のバランスを考えると、中型サイズが最も美味しいとされる魚が多いです。

