1. イカの習性を理解する
イカの捕食行動
・イカは基本的に捕食の際、獲物の頭側から抱きつく傾向がある。
・エギが急な動きをすると警戒し、逆に緩急があると捕食スイッチが入る。
・イカは潮の流れに乗りながら獲物を狙うことが多いので、潮下にエギを流すのが効果的。
季節ごとのイカの特徴
秋イカ(9月〜11月)
・成長途中の個体が多く、活発に捕食するため、小型のエギ(2.5号〜3号)が有効。
・警戒心が低く、リアクションで抱くことが多いので、強めのジャークでリアクションバイトを誘う。
春イカ(3月〜5月)
・産卵期のため、警戒心が高く、単発行動が多い。
・大きめのエギ(3.5号〜4号)でスローなアクションを意識し、抱かせる間を長く取る。
・ベイトが大きくなるため、シルエットの大きいエギが有利。
2. エギの操作技術
基本の3つのアクション
① ダート(横方向のスライド)
・ジャークでエギを左右に振る動き。
・秋イカはこの動きに強く反応しやすい。
・エギの頭を振る角度が大きいほど、イカのスイッチが入りやすい。
② フォール(沈下時の食わせの間)
・エギングの最重要アクション。
・フォール時にイカが抱く割合は8割以上。
・潮にエギを乗せるように漂わせる「ドリフトフォール」が特に有効。
③ ステイ(静止)
・波の力で自然に揺れる時間を作る。
・特に春イカはこの時間に抱くことが多い。
ダートの精度を上げるテクニック
・ジャークの角度を60°以内に抑え、ロッドのしなりを使うことでエギの動きを自然にする。
・ジャーク後の糸フケを素早く回収し、フォール時のテンションを適切に保つ。
・エギのアイ位置によってダート幅が変化するため、状況に応じて使い分ける。
- 前アイ(フロント寄り):直線的なダートで強いアピール
- 中央アイ:左右への幅広いダート
- 後方アイ(リア寄り):滑らかでナチュラルなダート
3. 潮流とエギの流し方
・潮流の変化を読み、エギを「潮が流れる方向」に送り込むことで自然にフォールさせる。
・速い潮流ではシンキング速度の速いエギ(ディープタイプ)を選び、流されすぎないようにする。
・ドリフト釣法(エギを潮に乗せて流す)を使うことで、イカが最も違和感を持たない状態で抱かせる。
4. ロッドワークとタックル選び
ロッド
・ショートロッド(7ft台):取り回しが良く、狭いポイントやボートエギング向き。
・ミディアムロッド(8ft前後):汎用性が高く、初心者〜上級者まで扱いやすい。
・ロングロッド(9ft以上):遠投性能が高く、沖のイカを狙う場合に有利。
リール
・スピニングリールの2500番〜3000番が適正。
・ドラグは弱めに設定し、イカが抱いた後に違和感なく持っていかせる。
ライン
・PEライン0.6号〜0.8号+フロロリーダー2号〜2.5号が基本。
・細いラインほど感度が高く、フォール時のアタリを取るのが容易になる。
5. 実践的な釣り場攻略
港湾部
・常夜灯下にベイトが集まりやすいので、エギをゆっくりフォールさせるのが有効。
・水深が浅い場合はシャロータイプのエギを使用し、根掛かりを防ぐ。
磯場
・潮通しが良いポイントにイカが付きやすい。
・磯際やサラシの切れ目は特に有望ポイント。
・フォールを長めに取り、スローな誘いが有効。
サーフ・ゴロタ浜
・遠投が必要な場合は**シンキングスピードの速いエギ(ディープタイプ)**が有効。
・波の動きを利用し、ナチュラルなドリフトで誘うのが鍵。
6. アタリの取り方とフッキング
・エギがフォール中、わずかな違和感を感じたら即フッキング。
・アタリのパターンは以下の3種類。
- ラインが急に止まる(イカが抱いた)
- 糸がフワッと緩む(イカが上から押さえた)
- 急に横に走る(イカが逃げる動き)
・フォール時に糸を張りすぎず、緩めすぎずのテンションを保つことがアタリを取るコツ。
まとめ
・イカの習性を理解し、アクションを最適化することで釣果が伸びる。
・フォール時のアタリを見逃さないために、ラインテンションを適切に調整。
・潮の流れを読むことで、効率的にイカを狙う。
・タックルの適正セッティングを見直し、繊細な操作を可能にする。
エギングは細かな調整が釣果に直結する釣りなので、状況に応じたテクニックを磨くことが重要です。
