海岸を歩いていると、原型をとどめていない魚が打ち上げられているのを見かけたことはありませんか?
「何の魚か分からない…」そんな状態になるのには、いくつかの科学的な理由があります。
今回は、その意外な原因と、砂浜に打ち上げられる魚の特徴を詳しく解説します!
① 自然界の分解プロセス【波と紫外線の影響】
打ち上げられた魚が原型をとどめない理由の一つは「分解の進行速度」にあります。
砂浜は、以下のような要素が揃うため、魚の外観が急速に損なわれやすいのです。
- 波の摩擦:砂や小石が付着し、体表が削られる
- 紫外線の影響:強い日差しにさらされ、皮膚や鱗が劣化
- 乾燥作用:干からびて変色し、見た目が変化
特に夏場は紫外線量が多く、水分の蒸発も早いため、魚の姿が短時間で変わりやすいです。
② 捕食者による部分的な摂食【自然界のサイクル】
魚が部分的に食べられている場合も多いです。
これは、以下の捕食者による影響が考えられます。
- カモメやウミネコ:内臓や目を最初に食べることが多い
- カニや甲殻類:魚の肉を少しずつ削るように食べる
- 他の魚:漂流中に別の魚にかじられることも
このように、打ち上げられた魚は完全な姿を維持できず、部分的に損傷することが多いのです。
③ 人間による影響【釣りや網の廃棄】
意外かもしれませんが、人間の活動も関係しているケースがあります。
- 釣りのリリース時のダメージ:死んでしまい、漂流することがある
- 網の中で傷ついた魚が流れ着く:漁業活動で傷ついた個体が浜に到達
- 廃棄された魚:漁港や釣り場近くの浜では、人為的に捨てられることも
これらの影響で、原型をとどめていない魚が砂浜に打ち上げられることがあるのです。
④ 魚の種類による違い【骨格の影響】
魚の骨格や体の構造によっても、分解のされ方に差があります。
- イカやタコ:骨がなく、皮膚がもろいため、すぐに形が崩れる
- 小型の魚:乾燥や紫外線の影響を受けやすく、変色が進行
- 大型魚:骨が残りやすく、頭部だけが砂浜に残るケースも
そのため、どの魚種か特定できない状態で見つかることが多いのです。
【まとめ】魚種不明の打ち上げ魚が多い理由
✔ 波と紫外線が外観を変える
✔ 鳥やカニなどの捕食者が部分的に食べる
✔ 漁業や釣りの影響でダメージを受ける魚がいる
✔ イカや小魚は特に分解が早い
砂浜で見つかる魚が「何の魚かわからない」状態になっているのは、これらの要因が絡み合っているためです。
もし砂浜で魚を見つけたら、「どんな要因でこうなったのか?」と推測してみるのも面白いかも
しれませんね!