海水は 約3.5%の塩分を含む ことで知られていますが、単純に 水道水に塩を混ぜるだけで
「海水と同じ」と言えるのか?
また、この人工海水で 魚は生きられるのか?
本記事では、 水道水に塩を混ぜた場合の違い・限界・魚の生存の可否 について、科学的に解説します!
1. 海水は「水+塩」だけではない!主成分の違いとは?
① 海水と人工塩水(水道水+塩)の成分比較
| 成分 | 海水(自然の海) | 人工塩水(水道水+食塩) |
|---|---|---|
| 水分 | 約96.5% | 約96.5% |
| 塩化ナトリウム(NaCl) | 約2.7% | 約2.7%(食塩) |
| 塩化マグネシウム(MgCl₂) | 約0.38% | なし |
| 硫酸マグネシウム(MgSO₄) | 約0.13% | なし |
| 炭酸カルシウム(CaCO₃) | 約0.01% | なし |
| その他の微量元素 | カリウム・ヨウ素・ホウ素・ストロンチウムなど | なし |
結論として、 水道水に塩を3.5%混ぜても「塩分濃度」は海水に近くなるが、ミネラルバランスは
全く違う ということが分かります。
2. 塩水で魚は生きられるのか?
結論から言うと、 水道水に塩3.5%を混ぜただけの「人工塩水」では、海水魚は長く生きられない です。
① 海水魚が生きるために必要な成分とは?
海水魚は 単なる塩水ではなく、海水中の「ミネラル・微量元素・pHバランス」などに依存 しています。
✅ 魚に必要な成分と理由
| 成分 | 役割 |
|---|---|
| マグネシウム(Mg) | 魚の浸透圧調整、神経系の働き |
| カルシウム(Ca) | 骨の形成、筋肉の動き |
| カリウム(K) | 細胞の浸透圧維持 |
| 硫酸イオン(SO₄²⁻) | 海水のpHバランス維持 |
| 炭酸イオン(CO₃²⁻) | 貝やサンゴの成長、pH安定化 |
塩(NaCl)だけでは これらのミネラルが不足しているため、魚の生理機能が維持できない のです。
② 人工塩水で魚を飼うとどうなる?
水道水に食塩(NaCl)を3.5%混ぜた人工塩水で海水魚を飼うと、次のような問題が発生します。
✅ 発生する問題点
- 浸透圧調整ができず、魚が衰弱
- 神経系の異常が起こり、動きが鈍くなる
- エラが正常に機能せず、呼吸困難に陥る
- 数日以内に死亡する可能性が高い
つまり、 水道水+塩では、海水魚を長期間生かすことは不可能 なのです。
3. どこまで海水に近づけることができる?
① 市販の「人工海水の素」を使う
海水の成分を再現するために、市販の「人工海水の素」が販売されています。
これには マグネシウム・カルシウム・カリウム・硫酸イオン などのミネラルが適切に配合
されており、海水魚の飼育が可能です。
✅ 人工海水の素の特徴
- ほぼ海水に近い組成で、長期間魚を飼育可能
- 比重(塩分濃度)を調整できる
- 水道水に混ぜるだけでOK
② 比重を適切に調整する
海水の比重は 約1.023~1.025 が理想とされているため、これに合わせて人工海水を作る必要があります。
✅ 塩分濃度と比重の関係
| 塩分濃度 (%) | 比重 | 状態 |
|---|---|---|
| 3.5% | 1.025 | 自然の海水に近い |
| 3.0% | 1.020 | 低め(魚にとって負担が少ない) |
| 2.5% | 1.015 | 病気治療用(海水魚向け) |
| 1.0% | 1.007 | 低塩水環境(汽水魚向け) |
適切な比重計を使って調整することで、 人工的に海水環境を再現することが可能 です。
4. まとめ|水道水+塩3.5%では海水魚は生きられない!
✅ 水道水に塩3.5%を混ぜると「塩分濃度」は海水に近くなるが、ミネラルバランスが大きく異なる
✅ 海水魚は「マグネシウム・カルシウム・カリウム」などのミネラルが必要なため、塩だけでは生きられない
✅ 水道水+塩だけの人工塩水では、海水魚は長く生存できず、数日以内に弱ってしまう
✅ 海水に近づけるためには、市販の「人工海水の素」を使うのが最も簡単で確実な方法
✅ 適切な比重(1.023~1.025)を維持することで、自然の海水環境を再現できる
結論:水道水+塩3.5%だけでは海水にはならない!
海水の成分は 単なる塩水ではなく、さまざまなミネラルが関与している ため、魚の生存には
人工海水の素を活用するのがベスト です!
もし 海水魚を飼育するなら、適切な環境を整えた人工海水を準備 しましょう!


