魚のエラ(鰓)は、水中で生きるための最重要器官 であり、「呼吸」「浸透圧調整」「餌のろ過」
など、複数の重要な役割を担っています。
釣り人にとっても、魚の健康状態や鮮度を判断するポイントになります。
① エラの主な機能
1. 呼吸(酸素の取り込み)
- 水中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する(魚の肺のような役割)
- 魚は口から水を吸い込み、エラを通して酸素を取り入れ、二酸化炭素を外へ出す
- エラの内部には「毛細血管が密集している」ため、効率的に酸素を交換できる
- 釣った魚を長く活かすには、エラを傷つけないことが重要
🔹 釣り人のポイント
- 針がエラにかかると出血しやすく、ダメージを受けると生存率が下がる
- エラが真っ赤で鮮やかなら鮮度が良い(時間が経つと黒ずんでくる)
2. 浸透圧調整(淡水魚と海水魚の違い)
- 淡水魚:体内に水分が流入しやすいため、エラから余分な水を排出し、ナトリウムなどの電解質を吸収
- 海水魚:水分が奪われやすいため、エラから塩分を排出し、体内の水分を保持
🔹 釣り人のポイント
- 海水魚はエラから塩分を排出するため、海で釣った魚を長く活かす場合は塩分濃度の調整が必要
- 活かし込み(イケスなど)を使う場合は、適切な水質管理が重要
3. 食事の補助(ろ過機能を持つ魚も)
- プランクトンを食べる魚(例:ボラ、コノシロ)は、エラを使って水中の餌をろ過する
- こうした魚は、エラの内部に「鰓耙(さいは)」と呼ばれる細かい突起があり、餌を濾し取る
🔹 釣り人のポイント
- プランクトン食の魚はルアーよりもエサ釣りの方が有利(例えばコノシロはサビキで狙いやすい)
② 釣りとエラの関係
1. 魚の活き締めとエラ
- 魚を美味しく食べるためには 「血抜き」 が重要
- エラには大量の血管が集まっているため、エラの付け根を切ることで効率的に血抜きできる
🔹 釣り人のポイント
- 釣った魚の鮮度を保つなら、エラを切って血抜きし、氷締めするのがベスト
- 血が残ると臭みの原因になる
2. エラの色で鮮度チェック
- 鮮度の良い魚:エラが鮮やかな赤色
- 鮮度が落ちた魚:エラが黒ずみ、ぬめりが増える
🔹 釣り人のポイント
- 魚を選ぶときはエラの色をチェックすると鮮度が分かる
- スーパーや市場で魚を買うときも同じ基準が使える
【まとめ】釣り人が知っておくべきエラの役割
機能 | 役割 | 釣り人のポイント |
---|---|---|
呼吸 | 酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出 | エラを傷つけると魚の生存率が下がる |
浸透圧調整 | 淡水魚は水を排出、海水魚は塩を排出 | 活かし込みの水質管理が重要 |
ろ過 | 一部の魚はプランクトンをろ過して食べる | ルアー釣りよりエサ釣りが有利 |
血抜き | 鮮度を保つために血を抜く | エラを切ると効率的な血抜きが可能 |
鮮度チェック | 鮮やかな赤色なら新鮮 | エラの色で魚の鮮度を見極める |
魚のエラは、「生きるための生命線」 であり、釣り人にとっても魚の状態を判断する重要な
ポイントです!