魚を腐らせた、あるいは発酵させた料理は、世界中で食文化として根付いており、それぞれの地域
で独自の風味や調理法が発展しています。
クサヤが有名ですが、それ以外にも多くの興味深い発酵魚料理があります。以下に代表的な例を
挙げて説明します。
日本の発酵魚料理
1. なれずし(馴れ寿司)
- 地域: 滋賀県(琵琶湖周辺)など
- 概要:
- 魚(フナなど)を塩漬けにし、発酵させた後、米と一緒に漬け込み、さらに発酵させる伝統的な保存食。
- 特に「鮒寿司(フナずし)」が有名で、強い香りと酸味が特徴。
- 風味:
- 酸味が強く、チーズやヨーグルトに似た発酵臭。
- 用途:
- 酒の肴やご飯のお供として親しまれる。
2. しょっつる(塩汁)
- 地域: 秋田県
- 概要:
- ハタハタ(魚)を塩漬けにして発酵させ、出てきた液体を調味料として使用。
- 魚醤の一種で、独特の旨味と塩味が特徴。
- 風味:
- 濃厚な魚の香りと塩味があり、鍋料理やスープに利用される。
3. いしる(魚醤油)
- 地域: 石川県(能登地方)
- 概要:
- イワシやサバを発酵させて作る魚醤。しょっつると似ているが、やや甘みが強い。
- 風味:
- 旨味が凝縮しており、塩辛さが控えめ。
- 用途:
- 野菜炒めや鍋料理、醤油の代わりに使用。
4. クサヤ
- 地域: 伊豆諸島
- 概要:
- 青魚(トビウオ、サバ、ムロアジなど)をクサヤ汁と呼ばれる発酵液に漬けて干す。
- 強烈な臭いが特徴で、熟練者向けの味。
- 風味:
- 強いアンモニア臭があり、味は塩味と旨味が濃厚。
- 用途:
- 酒の肴や焼き物として楽しむ。
世界の発酵魚料理
1. シュールストレミング(Surströmming)
- 地域: スウェーデン
- 概要:
- ニシンを塩漬けにし、缶詰にして発酵させた食品。
- 開けた瞬間の強烈な臭いが有名で、「世界一臭い食品」として知られる。
- 風味:
- 酸味が強く、塩味が際立つ。慣れると癖になる味。
- 用途:
- パンやジャガイモと一緒に食べるのが一般的。
2. ホンオフェ(홍어회)
- 地域: 韓国
- 概要:
- ガンギエイ(エイの一種)を発酵させた刺身。
- エイの体内に尿素が含まれるため、発酵により強烈なアンモニア臭が発生。
- 風味:
- 非常に刺激的な香りと食感が特徴。
- 用途:
- チゲ鍋や酢味噌につけて食べる。
3. プララー(ปลาร้า)
- 地域: タイ、ラオス、カンボジア
- 概要:
- 小魚を塩漬けにして発酵させた食品。タイ料理でよく使われる。
- 強烈な香りを持ち、スープやソムタム(青パパイヤサラダ)に使用。
- 風味:
- 濃厚な旨味と塩味が特徴。
- 用途:
- 調味料や発酵食品のベース。
4. バロロ(Borloto)
- 地域: フィリピン
- 概要:
- 魚(イワシやタラ)を塩漬けにして発酵させ、調味料として利用。
- 風味:
- タガログ料理のスープや煮物に使われる。
5. フェローセンスクラル(Fermented Shark)
- 地域: アイスランド
- 概要:
- サメを数ヶ月間発酵させ、乾燥させた伝統的食品。
- 保存食として発展し、今では観光客向けの珍味。
- 風味:
- 強烈なアンモニア臭と独特の歯ごたえ。
- 用途:
- 地元のお酒(ブレナヴィン)と一緒に食べる。
共通点と違い
共通点
- 発酵魚料理はどれも保存食としての歴史があり、保存性と旨味を引き出す目的で作られる。
- 強烈な臭いや味わいが特徴で、好き嫌いが分かれるが、現地では高級品や貴重な調味料とされる。
違い
- 臭いの強さ:
- クサヤやシュールストレミングは非常に強い。
- なれずしやプララーは比較的穏やか。
- 発酵工程:
- カビ付け(なれずし)や液体抽出(しょっつる)など、技法に地域性がある。
まとめ
魚を腐らせた、または発酵させた料理は、日本ではなれずしやクサヤが有名ですが、世界にはシュールストレミング(スウェーデン)やホンオフェ(韓国)のように独特な文化が存在します。
発酵魚料理はその土地の風土や歴史と深く結びついており、食材を無駄にせず保存する知恵が詰まっています。
興味があれば、異文化の発酵魚料理にも挑戦してみてください!


