アミエビ(オキアミやその他の小型のエビ類)は釣り餌として非常に一般的ですが、それ以外
にも様々な分野で活用されています。
その用途を以下にまとめました。
1. 食品産業
調味料や加工食品の原料
- アミエビは塩辛や佃煮の材料として利用されています。特に一部の地域では、アミエビを発酵させた「エビ味噌」や「エビ醤」が調味料として使われています。
- 乾燥エビとして軽食やスープの具材にも活用されます。
地域の伝統食
- エビ粉:アミエビを粉末にしたものは、出汁や風味付けの素材として日本や東南アジアの料理で広く使われています。
- かき揚げ:新鮮なアミエビを使ったかき揚げは風味豊かで人気があります。
2. 農業用途
肥料としての利用
- アミエビは魚粉や有機肥料の原料として使われることがあります。特に、エビ由来の栄養分は植物の成長を助ける効果が高いとされています。
- 土壌改良剤としても利用され、微生物の活動を活発化させる効果があります。
養殖用の補助食品
- 養殖魚や甲殻類の餌としても使用されます。アミエビは栄養価が高く、特に幼魚や稚魚の育成に適しています。
3. 環境用途
水質改善
- アミエビを使ったバイオリサイクル技術が研究されています。水質改善に役立つ微生物を含むエビベースの製品が開発されることもあります。
4. 研究・試験用途
水産業の研究
- アミエビは、水産試験場などで魚の行動や食性を研究する際の基準餌料として利用されます。
生態系のモニタリング
- アミエビは、海洋生態系におけるプランクトンの重要な一部であるため、研究対象として利用されます。特に温暖化や海洋環境の変化を監視するための調査で役立っています。
5. ペットフード・観賞魚用飼料
小型魚や甲殻類の餌
- 特に、栄養バランスが良いので、健康的な成長を促す目的で使用されます。
水槽の掃除生物として
- 生きたアミエビは、観賞用の水槽で水質改善や余剰餌の処理を助ける「タンクメイト」として飼われることがあります。
6. 化粧品・医薬品用途
化粧品の成分
- アミエビから抽出される成分(アスタキサンチンやキチン)は、化粧品やスキンケア製品の抗酸化剤として利用されています。
医療研究
- キチン・キトサン(アミエビの殻由来の成分)は、医薬品や健康食品の原料としても使われています。これらは免疫機能を高めたり、脂肪の吸収を抑える効果があるとされています。
7. 地域資源としての利用
観光資源
- 地域の観光資源として、アミエビ漁やそれを使った料理が注目されることがあります。漁や加工体験が観光プログラムとして提供される場合もあります。
まとめ
アミエビは釣り餌以外にも、食品、農業、ペットフード、化粧品、研究、環境分野など多岐に
わたる用途で活用されています。
その小さな体に秘められた栄養価や特性が、多くの産業で重宝されている理由と言えます。

