アオリイカを活締めすると白く変色する理由は、主に以下の2つの要因が複合的に作用するためです。
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色素胞の変化: イカの皮膚には色素胞という、色を変えるための細胞があります。この色素胞は、筋肉によって伸縮することで、中に含まれる色素(オモクロームなど)を拡散させたり、逆に凝縮させたりします。生きているイカは、神経系を通じてこの筋肉を自在にコントロールし、周囲の環境に合わせて体色を変化させることができます。しかし、活締めによって神経系が遮断されると、色素胞をコントロールする筋肉が弛緩し、色素が凝縮して色が薄くなり、白っぽく見えるようになります。
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血液の変化: イカの血液には、酸素を運搬する役割を持つヘモシアニンという色素が含まれています。ヘモシアニンは、酸素と結合しているときは青色を呈し、酸素を手放すと無色透明になります。活締めによって血液の循環が停止すると、血液中の酸素が消費され、ヘモシアニンが酸素を手放すため、血液が透明に近づき、体色が白っぽく見える要因となります。
神経の説明:
イカは、脳から伸びる神経系によって全身の器官を制御しています。特に、色素胞の制御には、脳から直接伸びる神経線維が関与しています。これらの神経線維は、色素胞を包む筋肉に信号を送り、筋肉の伸縮を制御することで、色素胞の大きさを変化させます。
活締めを行うと、この神経系が物理的に遮断されます。具体的には、イカの延髄(脳の一部)を切断することで、脳からの信号が全身に伝わらなくなります。その結果、
- 色素胞の筋肉の制御が失われる: 神経からの指令が途絶えるため、色素胞を包む筋肉は弛緩状態になり、色素が凝縮して色が薄くなります。
- 血液循環が停止する: 心臓の鼓動が止まり、血液の循環が停止することで、血液中の酸素が消費され、ヘモシアニンが酸素を手放し、血液が透明に近づきます。
これらの要因が重なることで、活締めされたアオリイカは白く変色するのです。
補足:
- 鮮度の高いイカは、活締め直後には一時的に濃い色になることがあります。これは、締められた直後の神経系の興奮によって、一時的に色素胞が拡散するためと考えられています。しかし、その後すぐに色素胞を制御する筋肉が弛緩し、白く変色します。
- イカの種類によっては、色素胞の種類や量、血液の成分などが異なるため、活締め後の色の変化に若干の違いが見られる場合があります。
以上の説明で、アオリイカが活締めによって白く変色する理由と、その背景にある神経の働きに
ついて、ご理解いただけたかと思います。


