魚が成長の初期段階では小さく、群れが大きくなる一方、晩期には魚が大型になり、数が減るという現象には、いくつかの生態学的および行動学的な理由が考えられます。
1. 生存戦略と捕食者からの防御
魚の初期段階では、捕食者に狙われやすいため、大きな群れを作ることで安全性を確保しようとします。群れを形成することで個体ごとの捕食リスクが分散され、生存率が上がります。小さい魚ほど捕食されやすいので、より大きな群れを作ることが有利です。
2. 成長と競争
魚が成長するにつれて、餌をめぐる競争が激しくなり、限られた資源をめぐって個体間での競争が発生します。このため、魚が大きくなると群れから離れることが増え、より効率的に餌を探すようになるため、群れの大きさが減少します。
3. 自然淘汰と寿命
魚の初期段階では、成長過程で多くの個体が捕食や病気、競争により命を落とすため、全体の数は減っていきます。晩期には、自然淘汰を生き抜いた一部の個体だけが生き残るため、群れが小さくなりますが、その分大きく成熟した魚が残ることになります。
4. 繁殖の影響
魚は成熟するまで成長し続け、繁殖のタイミングが晩期に訪れることが多いです。このため、晩期には個体の数が少なくなるものの、繁殖行動のために群れを形成することは少なく、大型の個体がより目立つようになります。
これらの要因が組み合わさり、初期には群れが大きく、小さな個体が多い一方、晩期には大型の個体が目立ち、数は減少するというパターンが見られます。